燃え尽き症候群
燃え尽き症候群の人の特徴・心理・対処法
“燃え尽き症候群”とは責任を持って一生懸命仕事に取り組み、任務を果たした後に燃えたぎっていた闘志が火が消えるように急に意欲が低下した状態を言います。
多くの人が最初に経験するのは受験の後ではなかったでしょうか。
志望校や難関の中学、高校に入学するため友達と遊びもせずに勉強ばかりしてきて合格を勝ち取った、大学受験に打ち込み、合格と同時にやることがなくなったと燃え尽き症候群になる人もいます。
社会人になると大きな仕事に没頭し、達成後の疲労感や無気力感も燃え尽き症候群と考えられます。
人はなにか大きな目標を達成すると燃え尽き症候群に陥ってしまうのでしょうか?
「燃え尽き症候群になったことがある」と答えた人は約5割を占めていると言われています。
結果を求められる仕事にストレスはつきものですが、極限に達してくると集中できなくなったり、身体の不調に気づかなかったりという場合があります。
それでも頑張り続けるとどうなるのでしょう。
頑張りの限界を超えてエネルギーが残っておらず、燃え尽き症候群になる可能性が大いにあります。
燃え尽き症候群になると生活や家庭、身体にも悪影響を及ぼします。
燃え尽き症候群の人には
・アルコールの量が増えた
・眠れなくなった
・食欲がなくなった
・遅刻や欠勤するようになった
などの症状が出ます。
今回は、そんな燃え尽き症候群の人の特徴や傾向と脱却法を解説します。
一つでも気になった方や自覚がある方は症状が悪化しないうちに早めの対策が必要です。
Contents
燃え尽き症候群に共通する特徴
燃え尽き症候群になる人に見られる共通点は真剣に取り組んで大役を果たせた後に、安堵感からかしばらく何も手に付かなくなることがあります。
どんな人が陥りやすいのか特徴と傾向を挙げてみますので、自分が当てはまらないかまたは周りにいないかチェックしながら見てください。
責任感が強い
責任感がある燃え尽き症候群の人は素晴らしいです。
何事にも真面目に取り組む使命感を持った人です。
燃え尽き症候群の人は、粘り強く最後まで諦めない精神を持つ人だからこそ周りからの期待は大きく信頼も厚いものです。
メンタルが弱い
燃え尽き症候群の人は、意欲や熱意はあるのです。
しかし、どんなに頑張っても頑張っても成果がでない時人はどうなるでしょう。
諦めたり悲観的になったりして、自信を失くします。
燃え尽き症候群の人は、実はメンタルが弱くて自己嫌悪に陥ったり、ふとした出来事がきっかけで精神のバランスが崩れたりする人です。
空虚感を抱く
燃え尽き症候群の人が空虚感を抱くのは、“大切なもの”を失って心にポッカリ穴が開いたからです。
何も人や物ばかりではありません。
生き甲斐や自信といった精神的なものも含まれます。
定年退職を迎えた、大事な家族やペットが亡くなったなど、燃え尽き症候群の人は誰からも認めてもらえず空虚感を味わっています。
孤独な人に多く見られる傾向がありますので、高齢者や独り身の人は要注意です。
優秀である
仕事ができる社員ほど忙しい、優秀な人ほど重要な仕事を任されますね。
燃え尽き症候群の人は真面目で一生懸命取り組む姿が見受けられますが、達成感の後の次が見えてこない状況に陥りやすい傾向があります。
燃え尽き症候群の人は優秀であるがゆえに人に頼らない、相手の期待に応えようとする人です。
人と接する職業に就いている
燃え尽き症候群の人は
・長時間勤務や不規則な勤務時間、厳しいノルマがある人
・教育に携わる人
・接客業に就いている人
など多く見られます。
特に介護や医療の現場では、ミスが許されず、一人ひとりの責任が非常に重くそれが過度な負担となっています。
燃え尽き症候群の心理
燃え尽き症候群の人は、あんなに頑張っていたのになぜ燃え尽きてしまったのか?
安堵感
燃え尽き症候群の人には、これまで張り詰めていた糸がピンと切れたようにプレッシャーから解放され安堵した様子が伺えます。
燃え尽き症候群の人は、しばらくは余韻に浸っていたいのです。
疲れた
燃え尽き症候群の人は、たまっていた疲れが一気に出ました。
燃え尽き症候群の人は、
・仕事に行きたくない
・誰にも会いたくない
・家族ともしゃべりたくない
・何もしたくない
など疲労がかなりたまっています。
燃え尽き症候群の人は、何をするにも倦怠感から意欲が湧きません。
やり甲斐を感じない
燃え尽き症候群の人は、これまで仕事に喜びややり甲斐を感じていました。
しかし、ちょっとした出来事がきっかけで仕事に行くのがおっくうになり、食欲もない、疲労感がある、ただただ退社時間が待ち遠しいだけの毎日の繰り返しで脱力感を感じています。
これ以上のものはない
達成感が大きければ大きいほど次に挑戦できるものが見えてきません。
燃え尽き症候群の人には、満足感と次は何を目標にすればいいかわからない不安が入り混じっています。
思ったほどなかった
人は長い間努力して達成したはいいけど、思ったほど感動しなかった、嬉しくなかったなど期待外れだった時、次が見えてこない燃え尽き症候群に陥ります。
燃え尽き症候群になる人とならない人の違いはなに?
人はイライラすると心に余裕がなくなり、笑顔が消える、ミスが増える人にあたるなどでますますイライラが増してきます。
全エネルギーを使い果たすくらい頑張ったら、そこで疲れ切ってそのままダウンしてしまう人と、ちょっと休んだらすぐに充電できる人がいますね。
すぐに充電できる人は気持ちの切り替えが早く、日ごろからストレスを抱え込まない生活をしています。
周りにサポートしてくれる人がいる、話し相手がいる、相談に乗ってくれる友人がいるなど友達関係も良好です。
人間関係が良好ならばプレッシャーを感じない、十分に睡眠がとれるなど心身共に充実した毎日が送れます。
燃え尽き症候群の人は神経質な人で、何でも一人で抱え込む、周りからの期待に応えようとするプレッシャーや上司からの圧力でストレスが発散できない、または自分でも気づいていない場合があります。
真面目な人ほどなりやすい傾向があり・無気力になる
・手抜きする
・食欲がない
・めまいがする
・原因不明の頭痛が続く
・不眠症
・アルコールの量が増える
・今までのように楽しさを感じない
・寝ても倦怠感が残る
・何をしても虚しい
・出勤前になると吐き気が襲ってくる
などの症状が出はじめたら燃え尽き症候群のサインです。
燃え尽き症候群から抜け出す方法
燃え尽き症候群からぬけ出すには、職場の環境は大事です。
責任感がある真面目な人は一生懸命やることが使命だと思っていますから、過重な業務をこなしているという自覚がありません。
だから仕事に没頭しているのでしょう。
休憩時間を取る、体調の変化や顔色など小さな変化にも気づけるように周りがサポートする必要があります。
やる気が出ないのが燃え尽き症候群です。
無気力な時に行動を起こすのは難しいもの、だったらそのまましばらく休みましょう。
今まで頑張ったんだから少しくらいは休んでもいいじゃないですか。
基本、真面目な人ですから休んでいる間、色々な事を考えるでしょう。
燃え尽き症候群の人は、
「自分なにやってんだろ」
「このままでいいのか」
「いつまでこんな生活続けるつもりか」
と自問自答することでハッと目覚めるでしょう。
次の目標を考えるのも無気力から脱却できる方法です。
達成したばかりですぐに次に進めとは言いません。
何となくでいいから次は何をしたいか小さい事から考えてみましょう。
人と会うだけでも何か刺激が得られます。
無気力になると食欲も失せますが、とはいえ何日も食べないなんて考えられません。
栄養剤や野菜だけでも摂取して抵抗力をつけましょう。
徐々に食欲がわいてきたら体を動かしたり散歩に出てみましょう。
外出先で新たな発見ができるかもしれません。
まとめ
誰でも一度はだるい、やる気が起きないといった経験はあったのではないでしょうか。
しかしそれが続くとただの疲労感だと侮ってはいけません。
仕事に打ち込むのも大切ですが、睡眠・休養をしっかりとって、余暇を楽しむゆとりも大事です。
少しでも調子がおかしいと思ったら、早めに専門医を受診するようにしましょう。
【関連書籍】