えこひいきをする

えこひいきをする人の特徴・心理・対処法

えこひいきをする

えこひいきとは、自分が気に入った者だけを優遇することです。

分かりやすい言葉で言い換えると「差別」です。

一般的にえこひいきをすることは悪いこととして考えられています。

相手によって態度を変えることは不公平だからです。

えこひいきされなかった者は不満がたまり、えこひいこされた者はうれしい気持ちはありますが、自分ばかり悪い、気まずいと感じます。

しかし、人間、誰にでも好き、嫌い、合う、合わないというものが必ずといっていいほど存在します。

それを分かりやすく表に出すか出さないかは人によって異なります。

表に出すとえこひいきになります。

職場でもえこひいきはあります。

みんな同じようにがんばっているのに特定の人だけほめられるとか、ミスをしてもあの人だけは大目に見られるといった経験をしたことはありませんか。

自分の気に入っている部下だけに楽な仕事を与えて、他の人にはきつい仕事を押し付けることもえこひいきです。

上司が特定の部下をえこひいきする場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか?

えこひいきをする人とはこんな人

とある保険会社のE課長はえこひいきすることで定評があります。

契約を取って来れない男性社員には「この給料ドロボーが!」「契約が取れない社員は社員じゃない!」と激しく罵ります。

営業会社なので契約が取れない社員に厳しいのは仕方ないのかもしれませんが、E課長は営業成績がいいAさんとBさんにも露骨に態度を変えます。

Aさんには「ご苦労さま。」の一言で済ませます。

Bさんには「お~、よくやったな!次も期待しているよ!」「みんなBさんを見習うように!」と言うのです。

E課長は女性事務員に対する態度もまったく異なります。

美人で愛嬌がいいCさんと見た目はちょっと残念で地味なDさんが職場に配属されたときは、E課長はCさんには親切丁寧に指導する一方で、Dさんにはロクに仕事を教えませんでした。

Dさんは何をすればいいのか途方に暮れていると、E課長は「何もできない女性社員」「あの子はダメだ。」とDさんのことを吹聴したのです。

またある日こと。

Cさんが少し鼻をすすっているだけで「体調が悪いんだったら帰ってもいいよ。後は他の人がするから。」と言って帰宅させ、Dさんに仕事を押し付けたのです。

E課長のせいで周りの社員もDさんを軽く扱うようになっていき、Dさんは孤立して最後には会社を辞めてしまいました。

えこひいきする人の特徴

・外ではいい顔をする

・人に好かれたい気持ちが強い

・損得勘定で物を考える

・自分勝手である

えこひいきする人の心理

えこひいきする人は気に入っている人に好かれたいという気持ち強い人です。

そのため気に入っている人を特別扱いします。

職場では仕事ができて素直に従う部下をえこひいきします。

部下の成果は上司の成果だからです。

また、えこひいきをする人は自尊心が強いため、自分を立ててくれる部下には優しく接します。

男性上司が容姿端麗な女性社員にえこひいきすることもありがちです。

その理由は言うまでもないでしょう。

えこひいきをする人は自分にとって利益にならない者や反発するものには強い拒否感を示します。

何か提案、企画をしてもあれこれケチを付けられてまったく通らないこともあるでしょう。

えこひいきがひどくなると派閥を作るようになります。

イエスマンばかり周囲に置いて嫌いな者を排除しにかかります。

えこひいきする人の対処法

えこひいきをする人を変えることは容易ではありません。

下手に荒波を立てるとますます職場の居心地が悪くなる可能性があります。

多少のえこひいきは「気にしない」「目をつぶる」のが最善の策です。

怒られないだけマシだと考えましょう。

いつかは人事異動でえこひいきする上司と離れる日が来るのを待ちましょう。

えこひいきが我慢できない場合

えこひいきの度が過ぎて我慢できない場合どうするか。

「えこひいきはやめてください」とえこひいきをする上司に直談判することで改善されることがありますが、あまり期待できません。

「えこひいきなんてしていない。勘違いじゃないのか。」
と否定されるのがオチです。

えこひいきをする上司よりもさらに上のポジションの人に「上司のえこひいきがひどくて困っています。」と訴えるのがベストです。

訴える際は、一人で訴えるのではなく、えこひいきを見て嫌な思いをしている人たちを募って、実際にあった出来事や考えを取りまとめ、レポートにして提出すると効果的です。

偉いさんから叱られた上司は、改善することを余儀なくされます。

改善されない場合は、異動届けを出したり、転職も視野に入れましょう。

えこひいきされている同僚とは仲良くしておく

えこひいきされている同僚を妬ましく感じるかもしれませんが、仲良くしたほうがメリットがあります。

えこひいきする上司に自分の意見を伝える場合は、えこひいきされている同僚を通して伝えます。

そうすることで意見が通りやすくなります。

自分がえこひいきされる人になる

えこひいきする上司を簡単にやめさせることはできません。

だったら自分がえこひいきされる側に回りたいと思いませんか?

その上司が好む人物を演じましょう。

えこひいきをする上司の性格を分析して「この人にはこんな風に接すれば気に入られる。」と仮面をかぶって接するのです。

多くの場合、えこひいきする人は「よいしょ」されるのが好きです。

ですから出会って早い段階、自分に対してプラスの評価もマイナスの評価も付く前にゴマをすって上司に取り入るのです。

そうすると少なくとも嫌われることはないでしょう。

私のえこひいき体験談

私がお子供のときを思い出します。

私と妹がケンカしたとき母親は常に妹の味方をしていました。

例えば、私と妹で見たいテレビ番組は違うことでチャンネル争いをしていたら「お姉ちゃんだから我慢しなさい!」と母親に叱られます。

「なぜ私ばかり我慢をしなければいけないの?」
私は納得ができませんでした。

時は流れて、私には二人の子供がいます。

今はどちらも成人していますが、振り返ってみると、下の子と上の子がケンカをしていたときは「お姉ちゃんだから我慢しなさい!」と私の母親と同じことを私は言っていました。

上の子は聞き分けが良い子でしたが、今になって思うと我慢をさせていたと反省しています。