逆ギレをする

逆ギレをする人の特徴・心理・対処法

逆ギレをする

自分が批判を受けたり怒られたりしているときに、逆襲するように怒り出す人を見たことはありませんか? 完全に自分が悪いということを棚に上げて逆ギレする人は何を考えているのでしょうか。

特に職場で逆ギレする人がいると人間関係だけでなく仕事に差し支えることになります。

普通の人には理解できない逆ギレの心理を学ぶことによって、逆ギレする人への対処法も学びましょう。

今回は逆ギレする人の特徴や心理、対処法を考えてみます。

逆ギレとは

「逆ギレ」は90年代から若者を中心に使われるようになった俗語のひとつです。

「逆ギレ」という言葉ができる前に「キレる」という言葉が使われだした経緯があるので、まずは「キレる」から説明します。

「キレる」という言葉にはそれまでおとなしかった人が、何かのきっかけで突然激怒するときに使います。

「キレる」はただ単に怒っているという状態よりも強い、激怒や我を忘れて怒っているという意味が含まれます。

これに対して「逆ギレ」は本来怒られるべき人が反対に怒っている状態のことを言います。
本来であれば叱られる立場の人はおとなしく聞いて反省するはずですが、自分が被害者のように怒り出すのが「逆ギレ」です。

普通に反論するのではなく我を忘れて感情的に切れ出すので始末に負えない状態であるとも言えます。

逆ギレする人の特徴

逆ギレする人には次のような特徴があるので個別に解説します。

  • 見栄っ張り
  • プライドが高い
  • 強いコンプレックスがある
  • ストレスを溜めやすい
  • 育った環境の影響
  • 感情を抑えられない
  • 自己愛が強い

見栄っ張り

逆ギレをする人の特徴として第一に見栄っ張りという点が挙げられます。

見栄っ張りな人は嘘をついて見栄を張りますが、その嘘がバレないように逆ギレをするのです。

この場合の逆ギレは意図して話題をそらしたり感情でごまかしたりする逆ギレなので、目的や意図がはっきりしています。

さらに相手の感情を高ぶらせて自分に対しての指摘をうやむやにすることが成功すれば、相手に対する優越感も得ることができます。

見栄っ張りな人はそうした見せかけの優越感でも満足できる人なのです。

プライドが高い

逆ギレする人の中にはプライドが高いせいで逆ギレをする人もいます。

プライドが高い人は自分に自信があり自分の言動を正しいと信じてる人です。

そのため指摘された間違いが事実でもプライドの高さのためそれを素直に認めることができずに逆ギレします。

その時の口癖としては「そんなことはわかっている」「それくらい自分でできる」があります。

相手が指摘することが正論で疑いの余地がないことでも、プライドを傷つけられると逆ギレによって否定します。

強いコンプレックスがある

強いコンプレックスのせいで自分に自信が持てない人も逆ギレすることがあります。

このタイプの人は自分の弱みや短所について指摘されたり、笑われたりすると逆ギレをします。

自分がコンプレックスに感じていたことに触れられることが、逆ギレするきっかけになるのです。

ストレスを溜めやすい

人から嫌なことをされてもはっきりと拒否できないおとなしい人はストレスを溜め込みがちです。

こうした反論もしない人に対してからかったりいじめたりする人も多いのが現実です。

しかしこうしたストレスを抱えた人に対して限度を超えた指摘などをすると、たとえそれが本当のことを言ったとしても逆ギレされることがあります。

ストレスを少しずつ貯めていった結果、とうとうそれが溢れ出した状態と言えるでしょう。

おとなしいからといって逆ギレしないとは限らないのです。

育った環境の影響

引きこもりの子供に逆ギレされて暴力を振るわれたという話を聞くことがあります。

このように家庭環境が原因で逆ギレしやすくなるという人もいます。

逆ギレをされてもそれを許容してきた家族の甘やかしによって、逆ギレが当たり前のようになっている状態です。

逆ギレの怒りによって相手を押さえつけることで自分の思い通りになる環境となってしまったのです。

こうした人は社会人としてはまともに働くこともできないので、職場にいるようなタイプではありません。

感情を抑えられない

感情のコントロールができなくて少しでも指摘されると怒りを抑えられない人もいます。

自分の思い通りにならないだけで怒りを感じてしまうので、まともに指摘したり正論をぶつけたりしても意味がなく怒りを誘うだけです。

逆ギレされるのが用意に予想できるので、周囲は腫れ物に触るような態度となります。

マザコン

マザコンの人も逆ギレするタイプです。

マザコンは自分のすべてを許容して受け入れてくれる母親のような存在を求めています。

そのためたとえ恋人や配偶者であっても、自分を許容しない人に対して逆ギレをします。

たとえば、浮気をしてしまってそれを怒られているときでも、最初は謝りますがいつまでも追求されると逆ギレします。

母親は子供を特別扱いしますが、その特別扱いをおとなになっても求めているマザコンの人は、逆ギレしやすいのです。

自己愛が強い

自己愛が強い人も大好きな自分が傷つくことが耐えられないため逆ギレをするという行動に出ます。

ミスを指摘されたときはだれでも不快に感じますが、それが事実で自分に非があればそれを認めて人間関係を優先するのがふつうの社会人です。

しかし自己愛が強すぎると優先するのは自分のプライドや自分の気持ちなので、客観視できなくなり逆ギレに結びついてしまいます。

逆ギレする人の心理

次に逆ギレする人はどういった心理や考え方で逆ギレするのかを考えてみましょう。

  • 自分は間違わないと思っている
  • 認めたくない謝りたくないという心理
  • 反論することがかっこいいと考えている
  • 恥ずかしい思いをしたくないと考えている
  • 防衛本能が働いている

自分は間違わないと思っている

プライドが高く自分に自信がある人は、自分が間違っているという考えがなく常に自分が正しいと信じています。

そうした心理がある人は上から目線の態度を取るので、反対に自分が怒られるということには耐えられません。

そのため逆ギレする上に人のせいにしたり関係ない人を巻き込んだりということも平気で行います。

認めたくない謝りたくないという心理

自分自身の失敗や間違いを認めたくない、謝りたくないという心理も逆ギレをする原因となります。

こうした心理を持つ人は子供っぽい考え方をする人で、自分の失敗を素直に認めることができません。

子供が駄々をこねるように言い訳を繰り返したり、意地を張り続けたりして逆ギレをします。

逆ギレをするのは、否定したり言い訳したりすることで、謝らなくても済むのではないかという幼稚な考えに基づいています。

恥ずかしい思いをしたくないと考えている

だれかに指摘されたり怒られたりすることを恥ずかしいと思う心理も逆ギレを引き起こします。

こうした逆ギレをする人は恥ずかしいことをごまかすために逆ギレをしてしまいます。

自分のミスを指摘されることはだれでも恥ずかしいことですが、社会人として成長すればミスを指摘されなければ、自分が成長しないということもわかってきます。

恥ずかしさをごまかすために逆ギレをする人は、社会人としてまだ成長していない人ということになります。

防衛本能が働いている

逆ギレする心理としては防衛本能によるものという場合もあります。

口撃は最大の防御というように、自分のミスを攻撃されることから身を守るために、反対に攻撃を仕掛けるという心理です。

こうした考え方をする人はミスや間違いを指摘する人は、自分を攻撃する人だと思っています。

しかし、特に職場では個人のミスからプロジェクトが失敗したり、取引停止となったりすることは普通にあります。

他人のミスを指摘して二度と間違えないようにさせることは一緒に仕事をしている人にとっては当然のことで、むしろ義務だとも言えます。

指摘された人もそれによって次は間違えないという成長を遂げることになります。

間違いの指摘をすべて攻撃と思う人は、自分が成長することを拒否しているのと同じです。

逆ギレする人への対処方法

逆ギレされた場合の対処方法を覚えておくことは重要です。

間違った対応をすると収拾がつかなくなる場合もあるので、対処方法はしっかり覚えておきましょう。

ひとまず指摘を止める

相手のミスを指摘しているときに急に相手が逆ギレした場合は、ひとまずその指摘を止めましょう。

相手は論理的な指摘に対して感情をぶつけて攻撃をしている状態です。

感情に対して冷静に対処しようとすると、相手の怒りに油を注ぐ結果になりかねません。

かといって同じく感情で対抗しようとしても、お互いに引っ込みがつかなくなり泥沼化します。

まずは指摘を一旦止めてそれ以上感情的な状態を作らないようにすることが大切です。

落ち着くまで待つ

逆ギレしているときは感情に任せてヒートアップしているので、相手に何を言っても聞く耳を持たない状態です。

むしろ余計なこと言ってしまうと感情に任せた状態を引き伸ばすことになります。

そのため指摘を一旦止めたあとは、相手が落ち着くまで何もしないことが重要です。
ひとりで怒り続けるのは体力も使うので長続きはしません。

相手が落ち着いてきたら、それまでとは違い相手の気持ちに寄り添うような形でやんわりと指摘してみましょう。

相手も感情的に落ち着いているので、また逆ギレする可能性は低くなります。

落ち着くまでの間はひたすら聞き続ける

自分が聞き上手だと思う人は相手が逆ギレしたら、相手の言い分を聞いてやるというのもひとつの方法です。

相手の言うことには反論せず怒りが収まるまで聞き続けるという方法です。

相手が怒り続けている間反論はもちろん言葉も発せず、ひたすら相槌を打ったり頷いたりするだけです。

そのためこの方法が向いていない人もいるので、聞き上手という人以外にはおすすめできない方法です。

話をそらそうとしたら後回しにする

逆ギレした人は言われていることが自分に都合が悪いことだという認識があるので、話をそらそうとしてきます。

相手が違う話にすり替えようとしてきたら、「その話はこの話が終わったあとにしよう」と言って話がすり替わるのを阻止しましょう。

相手の言うとおりに別の問題を話していては、いくら時間があっても足りません。

むしろ相手は時間切れを狙っている可能性もあるので、話が脱線する前に修正することも必要です。

事実を確認する

逆ギレする人はなんとか事実を追求されないようにいろいろな手を使ってきます。

主に感情的に攻撃することで相手も感情的にさせて、話の趣旨を忘れさせようとします。

しかし、あなたは決して惑わされずに、相手が感情的なことを言ってきたら必ず事実を確認する言葉を言いましょう。

「あなたがこうしたことで結果がこうなったんですよね」 「あなたがこれをしたことは間違いないですよね」 というように相手がしたことや事実となる結果を相手から肯定させましょう。

逆ギレする人は事実を認めたくなくてごまかそうとしているわけですから、事実を認めてしまえば後は何をしても意味がなくなります。

逆ギレしないためには

逆ギレしやすいという自覚がある人は逆ギレする性格を直すように努力してみましょう。

逆ギレは職場での人間関係にとって、いいことはひとつもありません。

また、自分にとっても直すべき問題であることも間違いありません。

自分の非を認める

自分がやってしまったことを認めないという気持ちが、逆ギレをすることにつながります。

つまり自分の間違いや非を素直に認めることができる人は、逆ギレすることもありません。

自分の非を認めるのは簡単なことではありませんが、失敗を取り返しがつかないことと考えてしまうと非を認めることができなくなります。

つまり失敗はだれにでもある当たり前のことで、次に失敗しないための勉強のひとつだと思えれば逆ギレの回数も減るでしょう。

失敗を恐れず自信を持つ

失敗を恐れるという気持ちの裏には自分に自信がないという心理もあります。

自分に自身を持つことができれば、失敗したときもその失敗を生かして次につなげることができるという気持ちを持てます。

つまり気持ちに余裕ができるので、失敗の可能性も低くなり、失敗しても逆ギレはしなくなります。

自分に自信を持つことも簡単にはできませんが、何か自分にしかできないことを身につけることで自信につながる可能性があるので試してみましょう。

周囲を気にしすぎない

周囲を気にする人は、自分が他人にどのように見られているかということを気にする人です。

そのため他人に怒られたりミスを指摘されたりというときは、周囲が自分をどう思っているかということを考えるだけで耐えられない気分になります。

しかも、実際には自分のミスが原因なので、それをごまかすためにも逆ギレするしかなくなります。

しかし、自分ではごまかそうとしているのですが、周囲から見ると事実を認めないで悪あがきをしているようにしか見えません。

逆ギレする前に本当は自分がどのように見られるかを考えてみましょう。

素直に事実を認めて誤ったほうがかっこいいのか、悪あがきをして逃れようとするのがかっこいいかは考えるまでもありませんね。

話を素直に聞く

逆ギレをしないためにも話を素直に聞く癖をつけましょう。

逆ギレをする人は話を聞かずにどうやってごまかすのかを頭の中で考えているので、相手の話をろくに聞いていません。

話をきちんと聞いていれば相手は自分を貶めるためにミスを指摘しているのか、自分を思ってアドバイスをしているのかがわかるはずです。

また、素直に相手の言うことを聞いていれば、次に失敗しないためのヒントも得られるはずです。

そもそも失敗が少なくなれば逆ギレする回数も減ることになるはずです。

そのためにはまずは人の話は素直に聞くということを身につけましょう。

まとめ

逆ギレする人の特徴や対処法はつかめていただけたでしょうか。

職場に逆ギレする人がいると周囲の人たちも巻き込んで、人間関係が悪くなります。

また、自分の逆ギレする癖を直したいと思っている人もいるでしょう。

そんな人のためにもこの記事がお役に立てれば幸いです。