慇懃無礼な

慇懃無礼な人の特徴・心理・対処法

慇懃無礼な

社会人なら知っておきたい『慇懃無礼』

あまり日常会話では見ない少し難しい漢字ですね。

慇懃無礼と書いて(いんぎんぶれい)と読みます。

態度や言葉使いが丁寧すぎるのもかえって失礼にあたるという意味になります。

使い方としては

①10年来の仲だというのに未だに敬語だとは慇懃無礼な感じがする

②取引先の相手がプライベートでも「何卒よろしくお願い申し上げます」と慇懃無礼で違和感がある

このように自分は仲が良いと思っていたつもりでも慇懃無礼な態度でこられると距離感が縮まっていない感じがしませんか?

慇懃無礼な人の特徴・心理を知って上手な付き合い方をしてみよう。

慇懃無礼な人の特徴

慇懃無礼の意味がわかったところでどんな人が慇懃無礼だと言われるのか特徴を挙げていきます。

厳格な家庭で育った

慇懃無礼な態度は、育った家庭環境が大きく関係していています。

厳格な家庭で育てば言葉使いや礼儀作法などを幼いうちから徹底的に叩き込まれます。

門限も厳しくルールを破るという事がありません。

成長してからも身にしみついています。

品格がある

初対面で会う時は相手が年上であろうが、年下であろうが、最初は敬語で話しませんか?

タメ語でグイグイ来られるよりも礼儀やマナーをしっかり守る慇懃無礼な人は品格があり気品さを感じます。

名誉ある立派な家庭に生まれると育ちが良さが際立っている人が多いです。

当然、言葉使いや礼儀作法も一流です。

真面目で会ったときは立ち止まっておじぎをする、正座をするなど立ち振る舞いも立派です。

何事にも丁寧・真面目すぎる一面が不快感を与えてしまったり、相手に気を使わせてしまう結果となり兼ねます。

距離感がわからない人

人との距離感って相手次第で大きく変わりますよね。

話が合えばずっと語っていたいし、頻繁に連絡をして、毎日でも会っていたい。

この人苦手だなと言う時は最低限の会話で済ませ、プライベートまでは勘弁ってとこです。

しかし、双方の想いが一致しているとは限りませんので、思い込みは禁物です。

距離感がわからない慇懃無礼な人は、これまでに人との付き合いがないため他人との程良い距離感が掴めません。

「今度飲みに行きましょう」と言われて「今度と言いますと、いつになさいますか?」と社交辞令を真に受けてしまいます。

付き合うのが礼儀だと思っています。

名字に『さん』づけをする

筆者が子どもの頃は同じ名字がたくさんいたので、保育園の頃から中学校まで年上も年下もみんなあだ名か「○○ちゃん」もしくは下の名前の呼び捨が当たり前でした。

部活の時はさすがに「○○先輩」でしたけど。

社会人になると初めて名字で呼ばれると違和感があったのを覚えています。

慇懃無礼な人は、ある程度年数も経ってプライベートでも親交があるんだから、

「かしこまらなくてもいいよ」

「もっとフランクにいこう」

と言っているにもかかわらず、「○○さん」と呼び続けます。

電話でもメールでもプライベートでも敬語を使ってこられると親しみ感が感じられません。

職業病である

接客業やクレーム対応をしているとお客様に対して非常に丁寧な言葉で接しなければなりません。

こちらに非がなくても感情的にならずにまず謝らなければなりませんし、電話を受けながら頭を下げている人もいたくらいです。

こうした日ごろから感情を抑えて自分が下手に出ていますので、どんな人に対してでも慇懃無礼な態度になってしまうのも無理はないかもしれません。

慇懃無礼な人の心理

慇懃無礼な態度について、しらじらしい、他人行儀、避けていると思われても仕方がありません。

本人はどう思っているのか気になりますよね。

相手や性格によって心理が異なりますから紹介していきます。

距離を置きたい

苦手な人がいれば避けたいと思うのは人間の自然な感情です。

まさに双方避けています。

苦手だと思う人に慇懃無礼な態度を続けていれば

「かしこまらなくていい」
「敬語はやめて」

と言っているにも関わらず、相変わらずよそよそしくしてればそのうち相手も避けられていると感じはじめます。

意図的にそう仕向けている可能性があります。

敬語が癖になっている

普段から言葉使いが丁寧な人は幼いころから厳しく礼儀作法叩き込まれて成長してからもそのままずっと続いています。

ただ単に丁寧すぎる言葉使いが癖になっているだけです。

あまり気にすることはありません。

形式に捉われている

社会人になると上司や先輩や取引先の人には敬語を使うのが常識になります。

融通が利かず仕事関連の人には形式だけに捉われています。

丁寧に接している

自分は目上の人や上司に対して失礼のないように丁寧に接しているつもりです。

それを周りから慇懃無礼だと言われても困惑します。

むしろ、軽視している、敬語を使わない無礼な態度こそ失礼ではないか。

できる人だと思われたい

難しい言葉使いを使ったり、丁寧な態度を取っていると度合いにもよりますが、できる人や腰が低い人に見えますよね。

ある程度自分に自信があって仕事もできると、周りから認められたいと承認欲求が強くなってくるものです。

見下している

例えば転職したため年下から指導を受けることになりました。

元々スキルや知識はあるため内心、「はいはいそんなことは言われなくてもわかっている」というような心の声が聞こえます。

慇懃無礼な人は、

「さすが、先輩にしかできない仕事ですね。恐れ多いです」

「先輩の足元にも及びません、一生かかっても追いつけそうにありません」

「自分とじゃ天と地くらいの差があります」

と褒めちぎっておきながらあっさり抜いてしまい優越感に浸ります。

慇懃無礼な人への対応

慇懃無礼な人には、気にしない、聞き流すのが一番と言いたいところですが、そうはいってもなんだかスッキリしませんよね。

距離を置きたいところだが、仕事上、関わらざるを得ないこともあるでしょう。

そんなときの対処法は

直接言う

相手は気を使って丁寧に接しているのかもしれません。

「職場の同僚なんだから、かしこまらなくていいよ」

「敬語を使われると他人行儀みたい」

と本音を言ってみましょう。

見下してくる相手には敬語で返す

こちらも同じく丁寧に接して自分がそうされたらどう思うか気づいてもらう。

変わってくれれば、自分の言動に気づいたという事になります。

変わらない場合は残念ながら今後も期待はできませんので、適度に付き合って聞き流すくらいの器でいましょう。

冗談で返す

「さようでございますか」

「ごめんあそばせ」

「あら、まあ、どうなさったの?」

などと言われたら

「どこのお嬢様なんですか~」

「個性的ですね~」

と冗談で返してみましょう。

そういう人は恐らく自分のことを誰よりも常識人間だと自負していますので、個性的=変わっていると見られるのが嫌です。

お嬢様ではないとしたら小バカにされた気分になりますし、今後、慇懃無礼な言葉が減ることを期待します。

まとめ

敬語を使えない人よりはきちんと敬語を使える人がいい。

でもそれは時と場合によって使い分けが必要です。

度が過ぎると慇懃無礼と捉えてしまいますので、そこを注意すれば良好な関係が築けます。