威張る

威張る人の特徴・心理・対処法

威張る

職場に威張る人はいませんか?上司であればまだわかりますが、同僚なのにやたらと威張る人は何を考えているのでしょうか?

今回は威張る人の心理や特徴、対処法について考えてみます。

威張るとは

「威張る(いばる)」には「威勢を張って偉そうにする」という意味があります。

「トラの偉を借る狐」と言う言葉がありますが、強いトラの威厳を借りて自分が偉そうにしている狐の様子にたとえて、他人の威光を自分のもののようにして威張ることを言います。

威張るは偉そうにするという意味なので、本当に偉い人は威張るということはしません。

威張る人とは、本当は偉くもないのに威張り散らす人という意味になります。

威張る人の特徴・心理

それでは威張る人の特徴や心理から考えてみましょう。

自分より下だと思っている

職場では上司と部下というように上下関係がはっきりしていますが、同じ同僚に対しても威張る人がいます。

これは相手が自分よりも下だと思っているからなのです。

自分が相手よりも上だと判断する理由には以下の4つがあります。

・自分より仕事ができない人(と思っている)
・自分よりも若い
・自分より社会経験が少ない
・相手が自分に対して意見の主張ができない

職場では年令に関係なく役職によって上下関係が決められるので、たとえ年下でも上司になるという可能性はあります。

しかし威張る人は現実的に職場で上の立場ではなくても、上記の理由によって相手に対して威張ります。

年齢以外は主観的な自分の思い込みや考えに左右されていることが多い理由です。

本来はたとえ仕事ができない人に対しては、そのレベルを引き上げてやることが会社のためにはメリットになります。

自分よりもできないからと言って威張り散らす理由はないのです。

それではなぜ自分より下だと思った相手に対しては、威張るという行動に出るのでしょうか?

マウンティングする

マウンティングは猿やチンパンジーのボスが、自分は偉いということを示すために他の猿の背中にのしかかる行為のことです。

人間もこのマウンティングをしますが、もちろん後ろからのしかかるのではなく言葉で相手を攻撃したり、言いなりにさせようとしたりします。

職場で同僚なのにやたらと命令口調で指示をする人がいますね。

その人は上司ではないので、同僚の中でも自分が一番偉いということを示すためにマウントをとろうとしているのです。

自分に自信がなくコンプレックスがある

自分に自信がある人というのは心に余裕があるので、他人に対して威張り散らすということはありません。

これに対して自分に自信のない人は、威張る傾向が強くなります。

なぜかと言うと自信のなさをごまかすため、あるいは自分が偉いということを認識するために威張るという行動をとるからです。

これは実際に職場での立場が上であっても関係ありません。

むしろ立場が上であるほど、自信のなさの裏返しとして威張る傾向が強くなります。

しかし現実的には相手が自分の偉さを再認識するどころか、威張ることで周囲からは嫌われてしまいます。

そのため思った通りの結果が得られないことで、ますます威張り散らすという悪循環になることもあります。

実際に能力が高い人は普通に接するだけでも威圧感を周囲に示すことができますが、能力が低く自信がない人は無理に威圧感を出そうとして逆に嫌われてしまうのです。

相手を選ぶ

威張る人はだれにでも威張るのではなく、相手を選んで威張るという特徴があります。

職場で威張る人でも自分より上の立場の人に対して威張ることはなく、部下や自分より下だと思っている人たちに対して威張ります。

そういう意味では威張る人は、自分の中で明確に上下関係を持っている人でもあります。

そのため自分より上の立場の人に対しては、自分を守るためにへりくだるということを平気でします。

弱い立場の人に対する威張る態度と正反対の態度をとるので周囲からはますます嫌われていきます。

相手によって態度を変えるというのはある意味では当たり前のことですが、威張る人の場合は極端に変化するので嫌われてしまうのです。

気が弱い

威張る人は自信のなさから威張るという解説をしましたが、それは気が弱いということにもつながります。

つまり自分に自信がないため他人からバカにされたり、笑われたりするのではないかという気の弱さの反動で威張っているのです。

また、自信がないということは自分を信じられないと言うことでもあるので、同時に他人も信じることができません。

そのため威張る人は他人を敵と思っている傾向が強いので、攻撃される前に攻撃しておこうという心理から威張っています

コンプレックスがある

威張る人に限らず行動に問題を抱えている人の大半は、コンプレックス(劣等感)を持っています。

自分を劣っているという気持ちが自信のなさを生み出し、その反動として威張ってしまうのです。

威張る人は表面上、強い態度をとって怒鳴り散らすと言った攻撃的な面を見せていますが、内面ではコンプレックスを抱えている弱い人間なのです。

同じコンプレックスを抱えている人でも、コンプレックスをモチベーションに変えて自分の能力を高める原動力にしている人もいます。

つまり威張る人はコンプレックスをうまく処理する方法を知らず、八つ当たりのように周囲の自分よりも弱い立場の人に威張ることで、かろうじて心の均衡を保っているのです。

ブランド物が好き

威張る人は自分の地位の高さを強調したり、自分の強さを主張したりするためにブランド物を身につけるという特徴があります。

本当に実力や能力があって地位も高い人であれば、わざわざブランド品に頼らなくても周囲がその実力を認めてくれることでしょう。

威張る人はそれができないためブランド品の力を借りているだけですが、本人に実力がないためブランド品に力負けをして、本人よりもブランド品のほうが目立っています。

不満やストレスの発散

威張る人の中には日頃の鬱憤やストレスを発散させるために威張っている人もいます。

このタイプの人はよく飲食店の従業員に威張った態度をとるタイプの人です。

飲食店を利用するというのは対価を払ってサービスを提供されるということなので、本来は同等の立場のはずです。

つまりお客が圧倒的に強い立場とは言えないのですが、日本では「お客様は神様です」と言った歌手がいて、それを勘違いして客が圧倒的に強い立場だと勘違いしている人がいます。

ストレスの解消がうまくできない人の中には、こうした勘違いした強い立場を利用して、威張り散らすことでストレスを発散しようとする人もいます。

よく話題になるクレーマーの中にもそうしたタイプの人がいるかも知れませんね。

仕事ができない

職場でやたらと威張る上司の中には仕事ができないことが原因で威張っている人もいます。

仕事ができる上してあれば、黙っていても部下は尊敬してくれるので自分から威張って偉いということを主張する必要はありません。

また、部下に対して威張り散らすことは部下を萎縮させるだけで、仕事にプラスになることはないとわかっています。

しかし、仕事ができない上司ほど威張ることで自分が偉いことを強調しようとするのです。

また、威張る上司は自分の力で仕事を成功させられないため、威張ることで部下を支配して成果を出そうとしているのです。

こんな上司にとっては仕事ができる部下というのは、最も恐れている存在でしょう。

自分ができない仕事を難なくこなす部下というのは、コンプレックスも刺激され自分の立場を脅かす存在です。

威張る上司はこうした部下に対しては2つの方法をとります。

まずはやたらとすり寄って手懐けようとしますが、懐柔策に失敗すると今度はパワハラまがいのことをして、部下が成果を出せないようにします。

仕事ができる部下にとっても、できない部下にとっても威張る上司は厄介な存在ですね。

役職を自分の強さだと思っている

役職というのは仕事上での立場であって、会社における役割の一つに過ぎません。

実務よりも部下の管理をして責任を持つ仕事というだけで、部下よりも人間的に偉いというわけではありません。

その証拠に一歩会社を出ると社内での役職は無意味になり、周囲の人から気を使われるということもありません。

役職に就いたと言うだけで自分が偉くなったような勘違いをして、部下に偉そうな態度で威張る上司は年功序列制度で顕著に見られます。

単純に入社年月日の順にエレベーター方式で役職に就く制度であれば、実力がない人でも役職になります。

そのため実力のなさを自覚している人は自信もないためよけいに虚勢を張って、威張る上司になってしまうのです。

威張る上司はプライベートでは気が弱い

いつも職場では威張っている上司を休日にプライベートで見かけたら、配偶者や家族に頭が上がらずおとなしかったという経験はありませんか?

職場で威張っているのに意外な感じがしますね。

でも反対に家庭内では立場が弱くストレスが溜まっているので、職場でそれを発散するために威張っていると考えると納得できるでしょう。

職場では上司という立場なので周囲もそれなりに気を使います。

職場の中では、場合によってはおべっかを言ってくる人もいるでしょう。

そのため職場では家庭に比べて自分が偉くなったような錯覚を起こしてしまい、威張った行動に出てしまいます。

基本的に威張る人というのは、どこかで何かを勘違いしている人ということもできますね。

威張る人が嫌われる理由

ここでなぜ威張る人が嫌われるのか、その理由も考えてみましょう。

相手によって態度が違う

威張る人が嫌われる最大の理由は、相手によって態度が180度変わるということです。

自分よりも立場が下だと思うと威張り散らし、上だと思う人にはへりくだる様子が周囲の人に嫌われる原因となります。

むしろ上の人にも強い態度をとって一貫しているのであれば、それほどまでに嫌われることはなく、むしろ尊敬される部分もあるはずです。

相手によって態度を変えるという変わり身が、卑屈さを感じさせるため嫌われるのです。

自分が正しいと言う態度

威張る人は基本的に自分に自信がないため、それを隠す目的で威張っているというところがあります。

しかし、このことがかえって周囲から嫌われる原因にもなっているのです。

人はだれでも初めてのことや重要な仕事に関しては自信が持てなくなります。

何に対しても自信を持って望める人は極めて少ないのです。

そのため威張る人も自分に自信がないと言う気持ちを表していれば、多少威張ったとしても周囲は自信がないため虚勢を張っているのだと気づくでしょう。

その場合はそれほどまでに嫌われることはありません。

しかし、自分が絶対に正しいという態度で周囲に当たり散らす人は、もし失敗したら周りが悪いという考えが透けて見えるので嫌われてしまいます。

このタイプの威張る人が嫌われるのは当然のことと言えるでしょう。

威張る人への評価が低い

威張る人が嫌われるのは、その人の能力が低く周囲からの評価も低いからです。

だれでも自分より能力が劣っているのに、職場での立場が上だからと言うだけで威張られてしまうと嫌いになるのも無理はありません。

しかも、能力がない人ほど威張る傾向にあるので、必然的に威張る人は嫌われるということになりますね。

反対にいわゆるワンマン社長と呼ばれる人が、自分の考えを周囲に押しつけて威張っていても、実際に結果を出し続けていれば周囲からはそれほど嫌われることはありません。

周囲に実力がないという評価をされている人が威張るから嫌われるのです。

威張る人への対処法

それでは最後に威張る人への対処法を考えてみましょう。

反発しない

基本的に威張る人に対しては、感情的になって反発しないことが原則的な対処法です。

威張る人はあまり周囲から評価されていないため、つい感情的に反発してしまう人もいますが、相手が上司の場合は反発することでプラスの面はありません。

威張る人は虚勢を張ってまで相手に対して要求をしているので、それを拒むことは相手の感情を大きく損ないます。

反発や拒否をすることで、相手の感情を高めてしまうだけなので、素直に受け入れてしまいましょう。

ただし、同僚など明らかに上の立場ではない人が威張っているときはこの限りではありません。

もちろん面倒な場合は素直に従っておいても問題ありませんが、威張る人は自分よりも下だと思ってしまうと何度でも威張ってきます。

そのため同僚の場合ははっきりと拒絶することも大切です。

ただし、いずれの場合も感情的にならず、冷静に対処するということが重要です。

できる限り距離を置く

威張る人が上司であれば全く距離を置くことは難しいかもしれませんが、それでもなるべく距離を置くことは厄介な人を避ける対策の基本です。

威張る人にとっては威張ることは命令であってコミュニケーションの手段ではありません。

威張ることで自分の考えを押しつけたり、言うことを聞かせたりできるのですから一方的な意思の伝達手段です。

これほど楽なことはないので全てにおいて威圧的になり、威張るくせが染み付いてしまっています。

こんな人とは距離を置く以外に有効な手段はありません。

さらに上の人に相談する

威張る上司が周囲の仕事や健康に影響が出るほどひどくなった場合は、さらに上の上司や会社の人事などに相談してみましょう。

威張る人は人を見て態度を変えているので、上の立場の人にはむしろへりくだる傾向があります。

そのためさらに上の上司から言われた場合は、素直に従うでしょう。

ただし、相談する相手を間違えたり、相談する前に気づかれたりすると、今よりも問題が大きくなることも予想できます。

上に相談するときは慎重にすることが重要です。

まとめ

威張る人の特徴や心理、対処法はおわかりいただけたでしょうか?

威張る人というのは見た目と違って、心が弱く自分に自信を持てない人だということがおわかりいただけたでしょう。

今まで怖いという心理があって冷静に対処できなかった人も、これで比較的冷静に対処できるのではないでしょうか?

この記事が威張る人への対処に役立てたら幸いです。