思慮が浅い

思慮が浅い人の特徴・心理・対処法

思慮が浅い

世の中には思慮が浅い人が少なからず存在します。

決して頭が悪いのではないのですが、あまり深く考えずに短絡的な行動をしてしまう人のことです。

こうした思慮の浅い人が職場にいると仕事に失敗したり、周囲に迷惑をかけたりすることになります。

また、思慮が浅いと上司に判断されてしまうと、職場での評価にも大きく影響するでしょう。

今回は思慮が浅い人の特徴や心理、対処法について解説します。

思慮が浅いとは

まずは「思慮が浅い」の意味から説明しましょう。

思慮が浅いというのは「行動に深い考えや配慮などが伴わないこと」という意味です。

慎重さがない、浅はかな、短絡的な、詰めの甘いといった言葉は、思慮が浅いと同じような意味を持っています。

計画性がなく短絡的に行動してしまう人を「思慮の浅い人」と呼んでいるのです。

反対に「思慮深い人」は行動する前に計画を立てるタイプの人のことで、慎重な人というニュアンスがあります。

思慮が浅い人の特徴・心理

思慮が浅い人にはどのような特徴があるのか考えてみましょう。

注意力が散漫

思慮が浅い人の特徴として注意力が散漫というところがあります。

つまり集中力にかけているところがあるので、深く考えることができないのです。

日常的な行動に関しては深く考える必要がないので、思慮が浅くても何も問題ありません。

しかし仕事で他人と接するときは自分の発言が相手に与える影響というものを少しは考える必要があるでしょう。

特に取引先との会話では自分の失敗は会社の不利益につながることが多いのでよく考えて発言することは必須です。

思慮が浅い人は何も考えないで行動するので、その結果注意力も散漫になり、仕事上でのトラブルにつながることも多くなります。

考えることが面倒くさい

思慮が浅い人は考えることが面倒くさいという人が多いようです。

物事を順序立てて論理的に考えたり、どうすればうまくいくのかを計画したりすることが苦手です。

そんなことを考えている暇に行動してしまうというタイプなのです。

しかしこれは職場においてはもっともトラブルを引き起こすタイプの人と言ってもいいでしょう。

これは日常生活でもいきあたりばったりの行動をしているために、普段から考えるということをしていないからです。

つまり思慮が浅い人は、普段から深く考える癖がついていない人のことです。

やる気がない

思慮が浅い人は基本的にやる気がないという特徴があります。

やる気があれば集中力も高まって行動する前に深く考えることができるでしょう。

思慮が浅い人はネガティブな考え方をしますが、普通はネガティブ思考の人は慎重派で行動の前によく考えます。

思慮が浅い人はネガティブ思考にも関わらず、やる気がないせいで「やりたくない」「面倒くさい」といった思考になり、何も考えずに行動してしまうのです。

職場ではいつも面倒くさそうに仕事をして、やる気がない人の大半は思慮が浅い人になります。

空気が読めない

思慮が浅い人は空気が読めません。

そもそも人の気持ちや感情について鈍感なところがあるので、空気が読めないと言うよりは人の気持ちがよくわからないという方が正しいかもしれません。

傷ついている人を見ても相手の気持ちを察することができないので、共感能力が低いとも言えます。

また、他人の気持ちだけでなく自分の気持ちや感情に対しても同じです。

人から怒られたり叱られたりしているときでも、真剣さが足りずに他人事のように話を聞いているようなタイプです。

説教をしているときに他人事のように聞いている人がいれば、説教している側も怒り出すことでしょう。

責任感がない

思慮が浅い人は責任感も持っていません。

責任感を持っている人であれば、仕事をするときに事前にきちんと考えて行動するでしょう。

思慮が浅い人はそもそも考えて行動するタイプではないので、当然責任感というところからはかけ離れた存在です。

職場において責任感を持たない人の存在というのは最悪です。

場合によっては任せられた仕事を途中で放り出すようなことも平気でするからです。

その場合は自分の評価が下るというだけでなく、周囲が後始末をすることになり迷惑をかけることになります。

しかも怒られたり説教されたりしても他人事のような顔をしているのでさらに評価を下げてしまうのです。

整理整頓ができない

思慮が浅い人は整理整頓ができないという特徴があります。

整理整頓をするためには必要なものと不要なものの区別や優先順位を考える必要があります。

思慮が浅い人は論理立てして考えることが苦手で、そもそも考えること自体が嫌いです。

そのため整理整頓ができないという特徴があるのです。

職場のデスクの上がゴミ箱をひっくり返したように汚い人や、どこに何があるのかわからなくなっている人は思慮が浅い人の典型と言えるでしょう。

予測ができない

思慮が浅い人は予測や推測も苦手という特徴もあります。

人は預言者でもない限り未来を見通すことはできませんが、現在わかっている事実を元にして近い将来の予測を立てることはできます。

そこまでできなくても、ある行動をすれば、その結果がどうなるかいくつか予測ができます。

たとえば、これから行う仕事がうまくいくかどうかも推測が可能であれば、失敗の可能性も予測できることになります。

つまり失敗しないための準備も事前に可能となりますが、思慮が浅い人はそうした予測を一切しないで行動するので、結果もいきあたりばったりになります。

当然失敗する確率も高くなるのです。

自分は思慮が浅いということをわかっていない

思慮が浅い人は、自分は思慮が浅いということ自体を自覚していません。

本人はきちんと考えて行動していると思っていますが、周囲から見ると何も考えていないと同じなのです。

たとえば自分の発言が相手を傷つけたり、反対に相手から皮肉を言われたりということも気づいていないのが、思慮が浅い人の特徴です。

自分は思慮が浅いと気づいていれば、自分の行動や相手の行動にもっと注意するはずですが、それに気づいていないため自分の行動が普通だと思ってしまうのです。

その結果空気が読めない行動をして周囲から嫌われていきます。

自分を客観的に見れない

思慮が浅い人が自分の浅慮に気づかないのは、自分を客観視できないという理由があります。

自分を客観視できれば自分の行動が相手からどう思われるかということにも気づくはずですが、思慮が浅い人は他人からの視点で自分を見れないので気づかないのです。

反省がなく同じミスを繰り返す

思慮が浅い人は同じミスを何度も繰り返すという特徴があります。

これは一度ミスをしても反省をしないので、次の成功につなげることができないからです。

また、無計画な行動や注意力が散漫な点も同じミスを繰り返す原因です。

職場では同じミスを繰り返すと上司に怒られたり説教されたりしますが、他人事のように聞いてしまうという特徴もあるので次のミスを防止することもできません。

そもそも思慮が浅い人は同じミスを繰り返しているという自覚もありません。

会社をクビになるような大きなミスがあって初めて自覚するかもしれませんが、それでは遅いということにも気づかないのです。

多角的に物事を見れない

思慮が浅い人はひとつの方向からしか物事を見ることができないと言えるでしょう。

思慮深い人はあらゆる方向から物事を見ることができるので、仕事をするときも失敗の可能性を低くすることができます。

思慮が浅い人にはそれができません。

そのため人から間違いを指摘されても、違う側面からの判断ができないので自分の考えが正しいと信じてしまい怒り出すこともあります。

怒り出してしまうのは正論に対してまともな反論ができないので、感情的に反発するしかできないからです。

経験が少ない

思慮が浅い人は知識があったとしても実際の経験が少ない人が多いようです。

たとえば仕事にしても実際の経験がないにもかかわらず、マニュアルを呼んだ程度で、もうできるような気分になってしまいます。

初めて経験する仕事でも経験があるつもりで取り掛かるので、事前の計画も調査もなしでスタートしてしまい成功する確率が低いのです。

失敗後も反省もしないので同じ失敗を繰り返すという悪循環に陥ります。

経験がないこともそうですが、経験をしてもその経験を活かすことができないのが、思慮の浅い人の特徴です。

見栄っ張り

思慮が浅い人には見栄っ張りという特徴もあります。

思慮が浅い人は自分のことも客観的に見れないので、自分のことを過大評価している場合があります。

はたから見てとてもできないようなことをできると言ってみたり、本当はよくわかっていないことを知っていると言ってみたり、見栄を張っているように見られます。

しかし実際は自分のことをよくわかっていないために見栄を張っているように見えるだけかもしれません。

おしゃべり

思慮が浅い人はおしゃべりという特徴もあります。

しかし、話している内容は中身がなく、頭の中で思いついたことをそのまま言葉として話しているだけで深い意味はありません。

話の中には相手を傷つけてしまうような内容も含まれますが、空気を読めないので相手を傷つけたことすら気づきません。

またそのことを指摘されたとしても軽く流す程度で、相手に悪いという思いもないのが思慮の浅い人です。

もちろん思慮の浅い人に秘密の話などをしてしまうと、あっという間に広まってしまうので注意しましょう。

周囲に流される

思慮が浅い人は自分の信念やしっかりした考えを持たないので、その場の雰囲気で周囲に流されるという特徴もあります。

周囲がしっかりしていれば流されても問題はありませんが、必ずしも周囲の人々がいい人ばかりとは限りません。

たとえば職場の中でもきちんと仕事をするグループに属していれば問題ないでしょう。

しかし、サボりぐせのある人が集まるようなグループにいると、思慮が浅い人はサボることが当たり前と考える傾向があります。

その結果、周りの人に流されて仕事をサボるようになるのです。

細かい指示が必要

職場にいる思慮が浅い人に仕事を依頼するときは細かい指示が必要になります。

思慮深い人や仕事になれている人であれば、細かい指示をしなくても自分で考えた行動をすることができます。

しかし思慮が浅い人は細かい指示がないと、常識的なことですらできない可能性があります。

マニュアルがあるにも関わらずまったく読まずに作業するなどは日常茶飯事です。

職場ではおっちょこちょいでは済まされない場合も多いのです。

思慮が浅い人の対処法

思慮が浅い人の特徴を踏まえて対処法も考えてみましょう。

指示や頼み事は具体的にする

思慮が浅い人に仕事の指示を出すときや頼み事をする場合は具体的に頼みましょう。

これくらいはわかるだろうという考えは禁物です。

たとえば取引先への手土産を買ってきてもらうときは、買うものの種類と個数を具体的に指示しましょう。

思慮が浅い人に適当に見繕ってと言っても、適切なものを買ってくることができるような配慮はできないと考えましょう。

また、不明瞭な指示で失敗させてしまうと、思慮が浅い人に恥をかかせてしまいます。

バカにしたり恥をかかせたりしないことも大切です。

おおらかな気持ちで接する

思慮の浅い人の言ったことをまともに受け取っても、いいことはありません。

自分のストレスが貯まるだけなので、思慮の浅い人と会話をするときは深く考えないで話しているということを前提にして、おおらかな気持ちで接しましょう。

思慮の浅い人に振り回されるほどストレスが溜まることはありません。

距離を置く

初対面であれば別ですが、思慮が浅いという人だということがわかったらなるべく距離を置きましょう。

直接接することがなければトラブルに巻き込まれることもストレスを溜めることもなくなります。

職場の部下などの場合は距離を置くわけにもいかないので、なるべく指示はわかりやすく。

報連相を徹底させましょう。

仕事をさせる場合、結果報告はもちろん途中経過も報告させるくらいでないと、トラブルを起こす可能性があるので注意しましょう。

思慮が浅い人にならないためには

最後に思慮が浅いと言われないようにするにはどうしたらいいのかも考えてみましょう。

本を読む

思慮が浅い人はおおむね読書が嫌いです。

これは本を読むこと自体に集中力が必要になりますが、思慮が浅い人は長い時間じっとして読書ができるほどの集中力がないからです。

反対に思慮が浅いと言われないようにするためには、読書をすることもひとつの方法となります。

集中力はもちろんですが、自分が経験できないことも読書で補填することができます。

また、本を読むことで知的好奇心も刺激されるので、物の見方も広くすることができます。

周囲の人の話に耳を傾ける

思慮が浅い人は他人の気持ちがわかりません。

それは他人の話を聞こうとせずに自分の話ばかりをしているからです。

まずは、他人の話に耳を傾けてその人の気持ちや話の内容を理解しましょう。

もしかするとあなたに対して適切なアドバイスをしてくれているかもしれません。

また、他人とのコミュニケーションがうまくとれるようになれば、人の気持ちもより理解できるようになります。

特に職場においてはコミュニケーションが重要です。

焦らない

自分で自分を思慮が浅い、浅はかだと思っても焦ってはいけません。

若い頃はだれでも思慮が浅く、まして職場ではベテランと言われるようになるまではだれでも仕事でのミスはつきものです。

完璧な人間はいないということをしっかり頭に入れておけば、多少の失敗で焦ることはなくなります。

同じミスを繰り返さないように失敗を生かして次の成功に結びつけるようにしましょう。

思慮が浅い人の大きな特徴である、同じミスを繰り返すということには十分気をつける必要があります。

まとめ

思慮が浅い人の特徴や対処法はおわかりいただけたでしょうか? 職場の部下に思慮が浅い人がいると上司としては指導をするときも一工夫しないといけませんね。

普通に指導しているだけではトラブルを増やすことになるので注意が必要です。

また、思慮が浅いと周囲から思われてしまうと、職場では出世にも関わってくるでしょう。

思慮が浅いと思われないようにするためにも、この記事が役立てば嬉しいです。