生真面目な

生真面目な人の特徴・心理・対処法

生真面目な

生真面目な人は真面目すぎるため人間関係でトラブルが多い人のことです。真面目と生真面目は一文字違いですが、なぜ大きく意味が変わってしまうのでしょうか?

それは真面目に限らず「過ぎたるはなお及ばざるが如し」と言われるように、やりすぎはやり足りないのと同じくらいよくないことだからです。

つまり真面目すぎるのは不真面目と同じくらいトラブルの元になるということです。

今回は生真面目な人の特徴や心理、対処法から克服法まで解説します。

生真面目とは

まずは「真面目」の意味から解説します。

「まじめ」の「まじ」には「緊張してまばたきをする」という意味があります。

「まじまじと見る」でも「まじ」が使われていますが、やはりまばたきをするという意味があります。

「まじめ」の「め」はもちろん目を表しています。

「まじめ」は緊張してまばたきをする様子や、真剣な顔つきから「本気」「誠実」という意味になりました。

しかし真面目という漢字には意味はなく、単なる発音だけの当て字です。

これに対して「生真面目」の「生(き)」には「混じりけがない」「加工も精製もしていない」という意味があります。

つまり「生粋の真面目」という意味になり、俗語では「バカ真面目」や「クソ真面目」とも言います。

真面目な人は物事を真剣に捉えますが、融通がきく面も持ち合わせています。

しかし生真面目な人はそうした融通や余裕が一切なく、言われた通りのことや自分で決めたルールの範囲内の行動しかできない性格と言えるでしょう。

生真面目な人の特徴

生真面目の意味がわかったところで、生真面目な人の特徴について考えてみましょう。

 

冷静

生真面目な人の特徴のひとつに常に冷静という点があります。

冷静ということは感情の起伏がほとんどない、あるいは感情を表に出さないタイプと言えます。

そのためあまり笑顔を見せることがないので、周囲からはクールな人と受け取られています。

職場で仕事中でも休憩中でも様子があまり変わらないということにもなりますが、これはオンとオフの切り替えがない、表裏がないとも言えます。

ときにはクールな人ではなく冷たい人だと思われることもあるタイプですね。

 

完璧主義

生真面目な人は完璧主義者という特徴もあります。

完璧主義者は何事も完全に、非の打ち所がないようにしないと気がすまない人のことです。

完璧主義は職場ではプラスの面が大きいでしょう。

仕事や作業を最後まで間違いなくきちんと仕上げるタイプだからです。

しかし完璧主義者は柔軟性がなく、融通がきかないというマイナス面もあるので仕事上でもマイナス面が出ることも少なくありません。

たとえば納期がある仕事でも完璧に仕上げることにこだわるあまり、それが目標になってしまい、納期に間に合わないという場合もあります。

 

冗談が通じない

生真面目な人は融通がききませんが、それは冗談が通じないということにもつながっています。

特に職場ではたとえ休憩中でもふざけて冗談を言うことを嫌い、ふざけている人を注意したり怒ったりします。

職場は仕事をする場所だと決めつけているところがあります。

もちろんそれ自体は間違いではありませんが、休憩時間や昼休みまで仕事をしているときと同じ状態でいなければいけないと考えるのが生真面目な人の特徴です。

 

計画的

生真面目な人は仕事をする場合、きちんと計画を立ててその計画に沿って仕事をすすめるという特徴があります。

もちろん仕事だけでなくプライベートでもこうした傾向があります。

つまり生真面目な人は行動をする前に段取りをきちんと決めておかないと動けないタイプと言えます。

完璧主義者なので納品に間に合わないことがありますが、反対に納品日をきちんと指定して計画を立ててもらえば、納品に間に合わないということはなくなります。

優先順位をきちんと伝えるとそれに沿った仕事ができます。

ただし融通がきかない点もあるので、計画外のイレギュラーなことが発生するとうまく対応できない場合もあります。

 

ストイック

生真面目な人は努力家でストイックな面もあります。

生真面目な人は論理的思考をするのできちんと筋道を立てて物事をすすめることを好みます。

間違えずに正しく行うということを自分にも律しているので、ストイックな努力家という特徴もあるのです。

会社のルールだけでなく自分で決めたことにも忠実で、ルールやマニュアルには忠実に従います。

つまり一旦道を決めたらそれから外れることは許せないというタイプです。

 

強いメンタル

生真面目な人はルールを絶対に守るという特徴があるので、メンタル面でも強いという特徴があります。

仕事はもちろん人からの頼まれごとでもやり遂げる強い意思を持っています。

仕事とプライベートをきちんと分けることもできるので、家庭内での不幸やトラブルが合っても仕事だけをきちんとこなす意思の強さがあります。

こうした精神面の強さからストレスにも強い耐性を持っているのが生真面目な人の特徴のひとつです。

 

こだわりが強い

生真面目な人は仕事やプライベートでも強いこだわりがあり、そのこだわりをかたくなに守るという特徴があります。

道を外れることが嫌いなので、自分で作ったマイルールであっても強いこだわりを持って守るのです。

たとえば起床時間や通勤のために家を出る時間もきちんと決めて、利用する電車の車両さえ毎日決まった車両に乗り込むということもします。

しかしそこまできちんと決めてしまうので、なにかトラブルがあって時間通りにいかなくなると不安になるというマイナス面もあります。

 

頑固

生真面目な人はこだわりが強いという特徴から派生して、頑固という特徴を持っています。

自分のこだわりやルールを曲げることを嫌うため、そこに固執するという頑固さです。

職場ではこの頑固さはマイナス面になってしまいます。

仕事をは共同作業であることが多いので、生真面目な人一人がこだわりに対して頑固になっていると、仕事に差し支えてしまうからです。

たとえフリーランスのような個人事業主であっても、頑固な性格は取引先に対してマイナスに作用することも多くなります。

仕事という点に関して言えば頑固な面はあまりプラスにはなりません。

 

周囲の評価を気にする

生真面目な人は自分に対する周囲の評価をとても気にします。

この原因は自分に対しても厳しくストイックなため、自己評価も低くなってしまうからです。

そのため周囲の評価を気にするという特徴があるのです。

この特徴のせいで人の顔色をうかがうことも多く、冗談が通じないという性格もあり人付き合いはあまりうまくないのも特徴のひとつです。

 

他人の短所を見る

生真面目な人は他人の長所ではなく短所をよく見るという特徴があります。

これは生真面目な人が自分にも厳しいルールを課しているので、他人に対しても同じ目で見てしまうからです。

基本的に生真面目な人はルールを守るということは当たり前のことです。

間違ったことや曲がったことをしないというのは、生真面目な人にとっては普通のことです。

ものの見方は極めてシンプルと言ってもいいでしょう。

間違ったことをするのは悪いことなのは、自分だけではなく他人についても同じなので、必然的に他人に対しても短所や悪いところが目についてしまうのです。

 

忍耐強い

生真面目な人は一度決めたことはやり遂げるという強い意思を持っているので、忍耐強さも持ち合わせています。

目標に向かって行動する強い意思は、途中でトラブルや困難があってもめげずに進むという我慢強さを生み出します。

こうした我慢強さや忍耐強さは生真面目な人の大きなプラス面と言えるでしょう。

 

責任感が強い

生真面目な人の最大の特徴とも言えるのが責任感の強さです。

生真面目だから責任感が強いと言うよりも、責任感の強さが生真面目という性格を形作っていると言ってもいいかもしれませんね。

また、責任感が強いためにそれに縛られることになり、融通がきかないという特徴も生み出しています。

また生真面目な人が他人に対しても厳しいという特徴があるのは、その責任感の強さを他人にも求めているからです。

生真面目な人にとっては責任感を持って行動することは正義であって絶対的に正しいことだと信じています。

それが生真面目な人の特徴でありトラブルの元になる点でもあります。

 

時間に厳しい

生真面目な人の特徴には時間を厳守するという時間に厳しい面もあります。

もちろん自分が自分に厳しいだけでなく他人に対しても時間の厳守を求めてしまいます。

職場の上司が生真面目な人であれば、部下は5分遅刻しても厳しく叱られて、毎日息が詰まる思いをすることでしょう。

これはプライベートでも同じで、友人と待ち合わせするときも、いつも時間前に到着しています。

友人にとってはこれがプレッシャーになる場合もあるでしょう。

時間を守ること自体はもちろん悪いことではありません。

しかし、他人に対しても厳しく時間を守らせたり、プレッシャーを与えたりすることはやはりやりすぎと感じる人は多いでしょう。

生真面目な人のメリット・デメリット

生真面目な人にはマイナス面もありますが、プラス面もあります。

ここで生真面目な人のプラス面とマイナス面をまとめてみましょう。

●生真面目な人のメリット(プラスの面)
・周囲から信頼を得られやすい
・努力して結果を残せる
・強いメンタルを持つ
・ストレス耐性がある

●生真面目な人のデメリット(マイナスの面)
・完璧主義者で面相臭いと思われる
・感情を表に出さないので怖い人と思われる
・こだわりが強く周囲の意見を取り入れない
・神経質でイライラしやすい
・冗談が嫌いなので周囲から浮いてしまう

生真面目な人への対処法

上記の生真面目な人のプラス面とマイナス面を踏まえた上で、生真面目な人との付き合い方を考えてみましょう。

 

相手を認める

生真面目な人は自分に対する評価が低い、つまり自己肯定が低い人という特徴があります。

これは真面目すぎる性格から完璧主義なので達成のレベルも高く設定しているからです。

そのためどうしても完全に達成できない自分に対しても評価が低くなってしまいます。

そこで生真面目な人に接する場合は、相手を認めてあげることが大切です。

特に生真面目な人はマイルールとでも言うべきものを必ず持っていて、そのルールに忠実に従っています。

あなたがそのルールに納得できないとしても、素直にそのルールを認めてそれを守っていることを認めてあげましょう。

 

こちらから歩み寄る

生真面目な人はコミュニケーションが苦手です。

特に冗談が通じないことから周囲からも敬遠されがちな存在です。

そんな生真面目な人に対してはこちらから歩み寄ることも大切です。

生真面目な人も自分を認めてもらいたいという気持ちは強く持っていますが、他人と打ち解けることが苦手なので自分から歩み寄ることもできません。

そのためこちらから歩み寄ることで、生真面目な人の心を開くきっかけにすることができます。

 

手を差し伸べる

生真面目な人は完璧主義なので仕事も一人で抱えて自分だけで解決しようとします。

生真面目な人はこだわりも強く見た目も怖いことが多いので、こちらから手を差し伸べるというのは難しいかもしれません。

しかし、最初は断られても気軽な感じで声をかけ続けていれば、受け入れてくれるでしょう。

特に職場では共同作業をすることが会社にとっても効率がいいので、その点を強調すれば生真面目な人も受け入れやすいでしょう。

 

感謝の言葉をかける

生真面目な人は見かけによらず自信がない人でもあります。

そんな生真面目な人に対しては感謝の言葉をかけることで自信をつけさせてあげましょう。

生真面目な人にとっては満足のゆく仕事の出来ではない場合でも、感謝の言葉をかけることで、これでも十分役に立てたと感じることができます。

これを繰り返すことで生真面目な人も次第に自信を深めることができるでしょう。

生真面目な性格を直すには

最後に自分が生真面目な性格で、それを直したいと思っている人のために気をつけてもらいたい点をピックアップしておきます。

 

結果を重視する

生真面目な人はどちらかというと結果よりも過程を重視する傾向にあります。

きちんと計画を立ててそれに沿って行動するのもその現れと言えるでしょう。

単に通勤するだけでも起床時間に始まって、家を出る時間、電車に乗る時間や車両まできちんと決めないと気がすまないのです。

しかし電車に乗る時間が少しずれ込んだとしても、始業時間までに会社に着くという結果が同じであれば気にする必要はありません。

遅刻したくなければ早く家を出るというだけで目標は達成できるのです。

生真面目な人は過程を重視しすぎて、会社に付くまでに無駄なエネルギーを使ってしまいます。

もう少し結果を楽に出すためにはどうしたらいいのかも考えてみましょう。

 

他人の意見を聞く

生真面目な人は自分のこだわりを重視するあまり他人の意見を聞いたり、取り入れたりすることができません。

もちろん自分の意見をしっかり持つと言うことは大切なことですが、自分の意見が絶対だと思うことは間違いだということに気づきましょう。

他人から意見を聞く意味は、自分では気づかないような違う視点からの意見を聞くことでそれまでと違ったアプローチができることにあります。

また、他人の意見を聞くことで臨機応変な対応もできるようになります。

すぐには難しいかもしれませんが、自分の意見を言った後に必ず相手の意見も聞くようにしてみましょう。

それを続けることで次第に変化が生まれるはずです。

 

ポジティブに考える

生真面目な人は通勤するときに遅刻ギリギリで間に合ったとしても、余裕を持って通勤できなかったことでネガティブな思考をしてしまいます。

経過を重視しているため朝早く起きられなかったことを悔やんでしまうのです。

しかしこうしたネガティブ思考はマイナスにしかなりません。

朝起きれなくても遅刻しなかったということを喜ぶことで、ポジティブな考え方に切り替えることができます。

ネガティブ思考にも慎重になれるというプラス面がありますが、几帳面な人は十分に慎重なので正反対のポジティブな考え方をするくらいでちょうどよくなります。

まとめ

生真面目な人の特徴や対処方法はおわかりいただけたでしょうか?

生真面目な性格にはプラス面とマイナス面の両方があります。

しかし職場の人間関係やコミュニケーションにとってはマイナス面の影響が大きいでしょう。

自分が生真面目だという自覚がある人は、プラス面はそのままで、マイナス面を改善する努力をしてみましょう。

この記事が生真面目な性格を直すことに役立てば嬉しいですね。