受動的

受動的な人の特徴・心理・対処法

受動的な

あなたの職場に自分から進んで仕事しない人はいませんか?指示されると仕事をするけれども積極的に行動しない受動的な人は、指示待ち人間とも言われています。

同じ職場で仕事をしている人の中にこんな受動的な人がいると、その人を指示する手間もかかってしまい自分の仕事にも影響が出てきます。

今回は積極的な行動ができない受動的な人の特徴や心理、対処法について考えてみましょう。

受動的とは

受動的を辞書で調べると、「他から動作・作用を及ぼされるさま。自分の意志からでなく、他に動かされてするさま」といった説明があります。

職場で上司から指示されないと仕事ができない部下を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。

受動的の反対語は能動的ですが、能動的は自ら積極的に行動するという意味があります。

受動的には行動に対して消極的で受け身であるということになりますね。

同じような言葉には消極的や及び腰といった言葉ありますが、これらの言葉には行動を避けている、逃げている、いやいややっているという感情的なニュアンスが含まれます。

これに対して受動的には感情的なニュアンスはなく、単純に受け身の行動をするという意味です。

そのため職場の受動的な人も仕事が嫌なわけではなく、指示されないとどうやって仕事をしたらいいのかわからないという人のことを言います。

受動的な人の特徴・心理

それでは受動的な人にはどのような特徴や心理があるのかを考えてみます。

受動的な人の特徴・心理:明確な意志がない

受動的な人には自分でこうしたいという気持ちやはっきりとした意志がありません。

そうなってしまう原因にはいろいろありますが、人の指示に従って動くことに慣れてしまっているというケースもあります。

自分で何も考えずに相手の言うことを聞いていればいいだけなので、楽だと考えてしまうのでしょう。

しかし中には指示されてもやりたくないと考えてしまうこともあるはずです。

受動的な人はそんなときでも、嫌だけども他にどうしていいのか明確に考えられないので、そのまま従ってしまいます。

嫌だから自分で考えて行動できるようであれば、受動的な人にはなっていないとも言えますね。

受動的な人の特徴・心理: 自分から話さない

受動的な人は会話でも自分から話すことがなく、聞き役に回っていることがほとんどです。

自分から積極的に会話をしない理由にはいろいろあります。

・会話が苦手
・話すことがない
・話しかけたら変に思われると考える

上記のような理由もあるかもしれませんが、受動的な人はそれほど話すことが嫌いではなく、話しかけられたら普通に返すことはできます。

しかし、それが長続きしないという特徴があります。

受動的な人はどんな話をしたらいいのか、こんなことを話して変に思われないかなど話す前に考えすぎてしまう特徴があります。

そのため無難な返事をするので会話が長続きしないのです。

受動的な人の特徴・心理:意見を言わない

受動的な人は明確な意思を持たない人なので自分の意見もはっきりしていません。

そのため、会議などの場でも自分の意見を積極的に発言することもありません。

プライベートであれば「どっちにする?」と聞かれて「どっちでもいい」と答えるのはそれほどおかしなことではありません。

しかし職場や仕事の場で自分の意見を持たずにどちらでもいいと考えるような人は、会社や上司から良い評価は得られないでしょう。

ただ、自分の意見をきちんと人の前で言える人というのは、それほど多くないことも確かです。

それでも受動的な人は極端なほど意見を言わない、言えないというケースが多いのです。

その原因の一つには自分に自信がないということがあります。

受動的な人の特徴・心理: 自分に自信がない

受動的な人は自分の意見を相手に伝えても、相手にはそれほど大きな影響がないと思っています。

それほど影響力がある人間だとは思っておらず、自分に自信も持っていないからです。

反対に能動的な人を考えてみると、相手に影響があるなしは考えずに積極的に自分の意見を言っている人が多いことがわかります。

自分の意見が相手に影響を与えるということは考えず、自分のような意見があることを相手に伝えて、その判断は相手に任してしまっているのです。

受動的な人はむしろ相手に影響を与えないような意見は言わないほうが良いと思ってしまいます。

相手に良い影響を与える人でありたいと考えているのかもしれませんね。

そういった意味では受動的な人はむしろ完璧主義者に近い考えをしているとも言えます。

受動的な人の特徴・心理:失敗を恐れる

受動的な人は自分に自信を持つことができないので、極端に失敗を恐れるという特徴もあります。

会話で積極的になれないのも、会議で意見を主張しないのも自分に自信がないため失敗するのではないかという恐れがあるからです。

失敗を恐れるという気持ちはだれでも持っているものですが、受動的な人は背景にある自信のなさと合わさって極端に失敗を恐れてしまいます。

能動的な人は失敗を恐れずに行動しますが、それは失敗をしても次に生かせばいいという考え方をしているからです。

対して受動的な人は完璧主義の面があるので、一度失敗してしまったらおしまいという考え方をしています。

その結果失敗は絶対にできないという強迫観念のようなものを持ってしまい、失敗を恐れてしまうのです。

受動的な人の特徴・心理:人に合わせ流れに任せる

受動的な人は自分の意見も言わないので、すべて人に合わせた行動をしています。

また、その場の雰囲気や空気に合わせての言動が多いので、流れに任せた行動をします。

しかし、人に合わせてばかりいるのは楽に見えるかもしれませんが、実際に自分がしたくないこともしてしまうことになるので、精神的なストレスをため込んでしまう結果になります。

少しでも自分の意見を言えるようであれば、結果的に合わせる鼓動をしてもそれほどストレスはたまらないでしょう。

しかし、受動的な人は自分の意見も言えないので、目に見えない所でストレスをためてしまいます。

また、人に合わせてばかりいると流れに身を任せることに慣れてしまいますが、だれにでもある自分のペースとは違ったペースで行動することになります。

この自分のペースではない行動もまたストレスをためてしまう原因になります。

受動的な人の特徴・心理: 好奇心が足りない

受動的な人の行動が積極的でない原因の一つには、好奇心が足りないという点があります。

能動的な人は比較的好奇心が旺盛で新しいことにもチャレンジするイメージがありますが、受動的な人は現状で満足して新しいことに興味を示さない人が多いようです。

これは自分に自信がないため新しいことに手を出しても失敗するのではという考えが強いからです。

そういう意味では受動的な人は保守的な部分もあるといえるでしょう。

受動的な人の特徴・心理:行動範囲が狭く家にこもりがち

受動的な人は好奇心が足りないこともあり行動範囲も狭くなる傾向があります。

新しいことに手を出すのが苦手なので、行ったことがない場所にも行きたがらないからです。

その結果、休日でも家で過ごすことが多くなり、せっかくの休日も家に引きこもってしまいます。

能動的な人のように会話も積極的に行っていると必然的に友人や知人も増えて、休日は友人と過ごすケースが増えてきます。

受動的な人は交際範囲も狭いので休日も一人で過ごすことが多く、家に引きこもりがちになります。

受動的な人の特徴・心理:声が小さく存在感が薄い

受動的な人の特徴には声が小さいという点もあります。

この声が小さいという特徴の原因としては、自分に自信がないということが挙げられます。

自分の発言にも自信がないので声が小さくなってしまい、相手からなんと言ったのかを聞き返されると萎縮して発言をやめてしまうことさえあります。

声が小さいことが先天的なことと思っている人がいるかもしれませんが、少し意識するだけで声の小ささは克服することができます。

少なくても相手に聞こえないような声の小ささではなくなるはずです。

そして声が小さいことは存在感の薄さにもつながってしまいます。

声が小さいことに加えて受動的な人はあまり発言もしないので、どうしても存在感が薄れてしまいます。

受動的な人は目立つことはしたがりませんが、それは存在感が薄くても平気ということではありません。

受動的でも他人からは認めてもらいたいという気持ちは持っているのです。

受動的な人の対処法

職場にいる受動的な人に対して特別な対処法はありません。

基本的に仕事だけの関係であれば、事務的に接しているだけで特に問題はありません。

なぜならば、受動的な人は職場の人間関係に悪い影響を与える要素がほとんどないからです。

そもそもコミュニケーションを嫌う傾向にあるので、人間関係を形成できるのかも怪しい状態です。

プライベートでも付き合いがあると言った関係であれば、もう少し積極的な行動ができるように仕向けてあげる必要はあるかもしれません。

しかし仕事だけの関係であれば特に対処法を考える必要もないでしょう。

受動的な人のメリットとデメリット

ここで受動的な人にはどのようなメリットやデメリットがあるのかを考えてみましょう。

受動的な人のメリット

受動的な人には以下のようなメリットがあると考えられます。

・周囲に配慮できる
・思慮深い
・人間関係のトラブルがない

個別に詳しく考えてみましょう。

受動的な人のメリット:周囲に配慮できる

受動的な人は自分の意見を主張しないので意見を持たない人と思われがちですが、実はそうではありません。

中には自分の意見を持たない人もいますが、ほとんどの場合は自分の意見を主張しないだけで、意見そのものは持っているのです。

つまり、ここで自分の意見を言うと場の雰囲気が壊れる、会議が長引くなど周囲に配慮をした結果意見を言わないことが多いのです。

能動的な人は反対に周囲のことに構わず自分の意見を言う傾向があるので、周囲に配慮していないという特徴があります。

能動的な人と比べると受動的な人は周囲に配慮ができるというメリットがあります。

受動的な人のメリット:思慮深い

受動的な人は行動をすることに対して消極的ですが、それは行動する前に考え込む思慮深い性格からくるものです。

最終的に行動しないというデメリットもありますが、すぐに飛びついて行動したために発生するトラブルは回避できます。

つまり受動的な人は思慮深いというメリットがあるのです。

反対に能動的な人は行動が早いメリットがありますが、すぐに飛びついた結果損をするというデメリットもあります。

受動的な人のメリット:人間関係のトラブルがない

もし職場に能動的な人ばかりいるとしたどうなるかを考えてみましょう。

皆自分の意見を主張しあってまとまることはないでしょう。

受動的な人はこうした人間関係を調整する役割もこなすことができます。

性格的に受動的な人もいますが、能動的な人が多いときに受動的に振る舞うことができる人もいます。

受動的な人は能動的な人の間に入って調整する側になることができるので、職場でのコミュニケーションにとってはメリットがある役回りができる人なのです。

受動的な人のデメリット

受動的な人には以下のデメリットがあります。

・責任感がない
・優柔不断
・信頼を得られない

受動的な人のデメリット:責任感がない

受動的な人は責任感がありません。

責任感があれば、自分の意見をはっきりと言ってその発言に責任を伴った行動をすることができるでしょう。

しかし、受動的な人は周囲に流されることを好むので、その背景には自分で責任を取りたくないという心理が見えます。

それでも反対意見を言うことができれば、失敗に終わったときに自分は反対したと主張することができます。

受動的な人は反対意見も述べずに失敗してから、やっぱり失敗したなどという人が多いので、無責任さが強調されてしまうのです。

受動的な人のデメリット:優柔不断

受動的な人は自分の意見を持たない人が多いので、複数の選択肢から一つを選ぶということが苦手です。

職場でいろいろな意見が交わされて、今後の方針をどうするか選択しなければいけないときなどは、特に優柔不断になり決断ができなくなります。

受動的な人は考えすぎてしまうので、それぞれの立場の人に気を使いすぎて一つに絞れないのです。

基本的には優しい性格なのですが、それが優柔不断さにつながって相手を傷つけてしまうこともあります。

受動的な人のデメリット: 信頼を得られない

受動的な人は自分で責任を取ることを酒、決断力も優柔不断なので職場では信頼を得ることが難しい人です。

周囲の人から信頼を得るためには、しっかりと自分の意見を発言して行動に移して結果を出さなければいけません。

それを長い間繰り返すことで信頼を得ることができます。

受動的な人には人から理解や信頼を得られる行動ができないと言ってもいいでしょう。

受動的な性格を変える

もし自分が受動的な性格だと感じていて、少しでも能動的になりたいと考えているのであれば、次の点を考えて行動してみましょう。

受動的な性格を変える方法: 考えすぎない

受動的な人の特徴は行動する前に考えすぎるということです。

しかも一人で考えて他者に意見は聞こうとしないため、思考が堂々巡りになってほとんどの場合結論が出ないという結果になります。

1分考えても結論が出ないのは時間の無駄だと考えましょう。

そして考えることをやめた後には、行動するかしないかというふたつの選択肢しか残りません。

行動するにしてもしないにしても、結論が出ないまま無駄に考え続けるよりは、はるかにマシな結果となるでしょう。

また、何回かに1回は深く考えずに行動することができるようになれば、より能動的になることができます。

受動的な性格を変える方法:良い所を探す

受動的な人がよく使う言葉に「どっちでもいい」という言葉があります。

「どっちでもいい」という言葉で済ませてしまうのは、受動的な人のマイナス部分である責任を取らないという考え方に直結していますね。

まずはこの考え方から変えてみましょう。

2択を迫られたときは、両方のいい所を考えてみるのです。

そうすればどちらにメリットがあるかわかりやすくなり、選択しやすくなりますね。

また、どちらかを選べないときでも、良い所だけは考えてみましょう。

そうして「Aはこういう所が良いけれども、Bは反対にこういうメリットがあるので、どちらか選べない」という答え方をしましょう。

「どちらでもいい」という答えよりは、積極的な発言となります。

これを繰り返すことで受動的という印象はなくなります。

周囲の自分に対する受動的というイメージを変えていくことで、自然に受動的な行動を抑えることができます。

受動的な性格を変える方法: 自分に自信を持つ

受動的な人は自分に自信を持てないことが受動的な行動をする原因となっています。

そのため何よりも自分に自信を持つことが能動的になる一番の近道と言ってもいいでしょう。

しかし、それが簡単にできたら受動的な性格になっていなかったはずなので、難しいと感じるかもしれません。

自分に自信が持てないのは自分には何の価値もないと思ってしまっているからです。

何か優れたことができる人に価値があると考えるから、自分に自信が持てなくなるのです。

人間の価値は等しく平等で、すべての人には生きる価値があると考えてみましょう。

それだけでも「じぶんなんて」という考え方から抜け出せるきっかけになるはずです。

具体的には、今まで自分ができなかったことを、簡単なことからでいいのではじめてみましょう。

たとえば、授刀的な人は声が小さいので少し大きな声で挨拶をするというのでもいいでしょう。

やってみると大したことがないとわかるはずですが、周りに与える印象は大きく違うはずです。

自分に価値があると信じて、簡単なことから始めるのが第一歩です。

受動的な性格を変える方法:自分のことだけを考えてみる

受動的な人は周囲の人の反応を気にするあまり考えすぎてしまう傾向があります。

こんなことを言えば他人に嫌われてしまうのではないかという心配をしすぎているのです。

他人はあなたの考え方や行動をそれほど気にしてはいないことに気づきましょう。

受動的な人は自分が他人のことを気にするのだから、他人も自分のことを気にしていると考えてしまいます。

実際のところ人は自分以外の人をそれほど気にしていないものです。

そう考えると自分が他人を気にしすぎていることがばからしくなるはずです。

思い切って自分のことだけを考えて行動してみましょう。

まとめ

受動的な人は職場には必ずいるタイプの人です。

職場での付き合いに限れば人間関係でトラブルを引き起こすタイプの人ではありません。

しかし、もし自分が受動的な人であれば、上司からの評価は低くなる可能性は高くなります。

性格をすぐに変えることはできませんが、この記事をきっかけにして受動的な性格が少しでも能動的に変われば幸いです。