パワハラをする人の特徴・心理・対処法




パワハラという言葉はすっかり日本の社会に定着しましたが、パワハラという言葉は定着してもパワハラそのものはいまだになくなる徴候がありません。
パワハラをする人は一定の権力を持っている人なので、一般企業だけでなく政治家や地方自治体の首長なども対象となります。
実際ニュースなどでもあらゆる方面で幅広くパワハラ問題が起きています。
あなたの職場の上司にはパワハラの傾向はないでしょうか? パワハラをする人が同じ職場にいた場合は、どのように対処したらいいのでしょうか? 今回はパワハラをする人の特徴や対処方法について考えてみましょう。
 

パワハラとは


パワハラはパワーハラスメントの略称で、権力を使ったいやがらせという意味があります。
具体的には職場上の地位や立場などで職場内での優位性を背景として、精神的苦痛や肉体的苦痛を与えて職場の環境を悪化させる行為です。
パワハラは上司がそれを認識して行っているかどうかは関係なく、部下がパワハラだと感じた時点で成立します。
これはセクハラに関しても同じで、受けた側がどのように感じたかということが重要になります。
パワハラかどうか判定するためには2つのポイントがあります。
ひとつは「職場での優位性」で、パワハラを行うには権力を持っていないといけないので、基本的には上司が部下に対して行う行為です。
ただし、職場での優位性は職場上の地位だけではなく人間関係、専門知識、経験なども含まれるので、部下が上司に対してパワハラを行うということもありえます。
もうひとつのポイントとしては「業務の適正範囲」を超えているかどうかという点です。
業務の適正範囲内であればパワハラとは認定されませんが、明確な基準がないので判断は難しいと言えます。
パワハラの判例なども参考にして判断するといいでしょう。
 

パワハラと指導の違い


業務の適正範囲を超えている場合にパワハラと判断されますが、具体的な例を示すのでパワハラを判断する参考にしてください。

●殴る、蹴るなどの暴力行為 こうした肉体的な暴力行為は、職場でなくても暴行罪や傷害罪に当たる可能性がある違法行為です。
もちろん職場の適正範囲という範疇を超えているので明らかなパワハラであり、場合によっては刑事罰に相当する行為となります。
●脅し、侮辱、暴言
肉体的な苦痛を与えることだけが暴力ではなく、言葉による暴力もパワハラに該当します。
部下を侮辱する言葉は名誉毀損に該当することもあり、明らかに職場であっても許容することができない行為です。
●村八分的な行為
社員がほとんど参加する歓送迎会や忘年会などの行事に呼ばないという行為もパワハラに該当します。
●極端な業務量を課す
周囲の社員に比べて極端に多い業務を割り当てたり、反対にほとんど仕事を与えなかったりということもパワハラに該当します。
 

パワハラをする人の特徴


パワハラをする人には以下のような特徴があります。
  • 他人の人格を軽んじ、尊重しない
  • 誠実さや正直さがない
  • 自分を強く見せたい、よく見せたいという自意識過剰なところがある
  • 支配欲や権力志向、野心が旺盛
  • 臆病で小心者
  • 神経質で心配性
  • 嫉妬深い
  • 自分より地位の高い・強い者に弱い
  • 成果・数字ばかりを求める
  • ストレスを抱えている
以上の特徴を個別に説明します。
 

他人の人格を軽んじ、尊重しない


パワハラをする人は自分以外の他人に対して人格を尊重するという気持ちがほとんどないという特徴があります。
すべてを自己中心的に考えているため他人の人格を軽んじているのです。
そのため自分が思ったとおりに部下が行動しない場合など、人格を無視してその行動に対して怒りをぶつけてしまいます。
人格を尊重する人であれば、もっと違った行動をするはずですが、パワハラをする人にはそうした選択肢がないと言えます。
 

誠実さや正直さがない


パワハラをする人には誠実さや正直さがないという特徴もあります。
誠実な人であれば他人の人格も尊重するので人格を無視した行動をすることもありません。
また、正直な人は自分のミスも正直に認めるので、部下が失敗したからと言って一方的に責めることもありません。
パワハラをする人にはこうした誠実さや正直さに基づいた行動がないので、一方的に部下に対して攻撃をするという特徴があるのです。
 

自分を強く見せたい、よく見せたい


セクハラをする人には自分を強く見せたい、よく見せたいという心理があります。
弱みを見せたくないという心理の裏返しとして、自分を強く見せる手段として強い態度やときには暴力を振るうという行動をします。
また、自分をよく見せたいので、自分が失敗した場合にはそれを認めることをせず、部下などに責任を押し付けるということも平気でするのがパワハラをする人の特徴です。
 

臆病で小心者


自分を強く見せたがるという行動の裏には、臆病者や小心者であるということがあります。
パワハラをする人は自分が臆病であることや小心者であることを隠すために、攻撃的な行動をしたり、自分より立場が弱い人に対して威圧的な行動をしたりするのです。
人間の心理としてはコンプレックスと感じていることを隠そうとして、反動で正反対の行動になるということはよくあることです。
そう考えるとパワハラをしている人の行動には、その裏返しとして臆病で小心者という性格や心理があるというのも頷けるでしょう。
 

支配欲や権力志向、野心が旺盛


パワハラをする人には人を支配したいという権力志向や強い野心を持っているという特徴があります。
つまり出世欲が強いので出世するためには手段を選ばずに強硬な手段を取る傾向があります。
職場では出世のためには自分が努力することがもっとも大切ですが、ある程度上の立場になると部下の失敗が出世の妨げになるということはよくあることです。
しかし、それも部下が失敗しないように十分に指導していれば防ぐことはできます。
パワハラをする人はそうした努力はしませんが、部下が失敗したときは徹底的に部下を責め立てて自分の責任を回避する行動に出ます。
 

嫉妬深い


パワハラをする人の中には嫉妬深さが原因でパワハラをする人もいます。
部下が大きな失敗やミスをしたというわけでなくても、別の理由で部下にパワハラを行うということがあるのです。
その原因のひとつが嫉妬です。
例えば部下が自分が好きな異性と付き合っている、仕事で自分よりも能力があるといった理由でパワハラをすることがあります。
この場合のパワハラは特定の人物が対象となり、一度や二度ではなくしつこいくらいに繰り返されるという特徴があります。
 

自分より地位の高いまたは強い者に弱い


パワハラは上司が部下に対して行うだけではなく、場合によっては立場が下の人間が上の人間に対しても行う可能性はあります。
しかし、通常は上司が部下に対してパワハラをするのが一般的です。
その理由は上司という立場を利用することができるからです。
反対に考えると、上司の立場を利用してパワハラをする人は、自分より立場が上の人に対してはへりくだるという特徴があります。
自分が立場を利用しているので、反対に立場を利用されてパワハラを受けることを極端に嫌います。
そのため、上の人間には弱く下の人間に強いという典型的な「長いものには巻かれろ」という行動を取るのです。
 

成果・数字ばかりを求める


パワハラをする人の中には成果や数字を求めるあまりパワハラをする人もいます。
成果至上主義の人は結果や数字にとらわれるあまり、努力したかどうかということは全く考慮しません。
いくら努力しても結果が出なければすべて失敗という考え方です。
同じ結果が悪い場合でも全く努力をしていない人と、努力したけれどもたまたま結果が悪かったという場合では全く性質が異なります。
努力をしている人はすぐには結果が出なくても、将来成果として現れる可能性があります。
成果至上主義のセクハラをする人は、努力ではなく結果だけを求めるので、今現在結果が出ていないことに対してパワハラで改善しようとするのです。
 

ストレスを抱えている


パワハラをする人の中には自分のストレスを解消しようとして、部下に対してパワハラをする人もいます。
こうしたパワハラには対象となった部下にはそれほど大きなミスがないということが多く、パワハラを受けた人はなぜパワハラを受けているのかわからないという状態です。
そのためパワハラを受ける部下は特定の人物ではなく、たまたまストレスが溜まっているときに簡単なミスをした部下が対象になります。
 

パワハラをする人への対処法


パワハラにはいくつかの種類があるので、その種類別に対処方法を考えてみましょう。
パワハラは下記のように分類することができます。
  • 身体を攻撃するパワハラ
  • 精神的攻撃をするパワハラ
  • 村八分型パワハラ
  • 過大な要求をするパワハラ
  • 過小な要求をするパワハラ
 

身体を攻撃するパワハラへの対処法


身体を攻撃するパワハラというのは、紛れもない暴力となるので場合によっては傷害罪として訴えることも可能です。
しかし同じ職場の人間を犯罪者として訴えることになるので、そこまでやりたくないという人も多いでしょう。
それでも暴力を振るわれたという証拠は残しておきましょう。
キズやアザができていればそれを映像として残しておく、病院で診てもらって診断書を書いてもらう、手書きでもいいのでパワハラの状況を記録しておくといったことをしておきましょう。
警察に届け出をすることはしたくないという人でも、少なくても勤務先には証拠と一緒にパワハラの事実を伝えておく必要があります。
会社側で適切な対応をしてパワハラがなくなれば問題はある程度解決しますが、それでも解決しない場合は障害を受けたということで警察に届け出ることも考えてみましょう。
会社に警察に届け出ることも考えていると伝えておけば、そこまでする必要もなく会社も真剣に対応するでしょう。
 

精神的攻撃をする人への対処法


精神的攻撃の大半は言葉による攻撃となります。
直接侮辱する言葉を言ったり、罵倒したりというパワハラの場合はなるべく証拠を残すようにしましょう。
もっとも簡単な証拠の取り方としては、録音するという方法があります。
自分で録音して上司に見つかってしまうと更にこじれることがあるので、できれば信頼できる人に頼んでおくといいでしょう。
この証拠を持って会社に実情を伝えて解決を図ります。
また、同じ口撃でもネチネチと嫌味や侮辱を言ってくる上司に対しては、無視をするという方法が効果的です。
同じ被害にあっている同僚などがいれば、一緒に上司がまたなにか言っているという雰囲気を作ってしまうと更に効果的です。
 

村八分型への対処法


村八分というのは集団の中で孤立している人間関係のことですが、これは自分だけがそう感じている場合もあるのでパワハラかどうかの判断が難しいことがあります。
孤立していると感じたらまずは自分から歩み寄ってコミュニケーションを図ってみましょう。
周囲の親しい人から情報を得ることも判断材料にします。
その上で和腹のせいで孤立しているという確信を得たら、会社内の相談窓口に相談して解決を図りましょう。
社内に相談窓口がない場合は、公的な外部機関があるのでそこに相談しましょう。
 参考 ⇒ http://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/inquiry-counter

過大な要求をする人への対処法


過大な要求をするパワハラは、とてもひとりでは消化しきれないほどの仕事を与えるパワハラになります。
その上で仕事ができないというレッテルを貼られて、仕事ができないことで言葉の暴力を受けます。
こうした過大な要求をする上司は、残業をしても認めないということもする可能性が高くなります。
残業をきちんと記録してその残業を上司が認めていないという証拠を集めることも重要です。
こうした証拠を揃えて会社に事実を訴えることで解決を図りましょう。
 

過小な要求をする人への対処法


過小な要求をするパワハラはわざと仕事を与えないで嫌がらせをするパワハラです。
しかしこれも村八分型と同じで自分だけが感じている場合もあるので判断が難しくなります。
また、会社の方針として人減らしをするために、わざと仕事をさせないで自ら退職する流れに追い込むというケースもあります。
この場合は自分ひとりだけでなく同じような境遇の人が多くいるはずなので、それで判断しましょう。
上司個人のパワハラが原因で仕事が与えられないとわかったら、やはり会社の然るべき窓口や公的な機関に相談することで解決することをおすすめします。
 

パワハラと受け取られない方法


パワハラやセクハラは相手がどのように感じたかが問題なので、本人は普通の行動だと思っていても、相手によってはハラスメントと受け取られることがあります。
そのため上司としてはパワハラと思われないための注意も必要になります。
 

事実だけを指摘する


パワハラは相手の人格を無視したり否定したりする言動が特徴のひとつです。
部下を指導、注意するときは人格の部分には絶対に触れずに、事実だけを根拠として指導することが重要です。
「だからダメなんだ」「無能だ」「いいかげんな人間だ」といった言葉は人格を否定する言葉になるので使ってはいけません。
指導する場合は書類の不備や、仕事上のミスを具体的に指摘して、どうしたらそれをなくすことができるのかを指導しましょう。
 

雇用を脅かさない


仕事上の失敗を理由に雇用を脅かすような言動はパワハラと言われても仕方のない行動になります。
「クビ」「辞めてもらう」といった言葉は使わないようにしましょう。
そもそも会社は簡単に社員をクビにすることはできません。
仕事上のミスだけで退職させることはできないのです。
雇用を脅かすような言葉を使うだけでパワハラ認定されかねないので注意しましょう。
 

雇用の適正な範囲を守る


パワハラと判定されるポイントのひとつに「雇用の適正な範囲」に収まっているかどうかという点があります。
そのためパワハラと誤解されないためには、仕事の内容を変えたり業務量を調整したり場合は必ず部下に説明してから行いましょう。
部下の意見も聞きながらコミュニケーションを図っていけばパワハラと受け取られることはないでしょう。
 

まとめ


パワハラをする人はひとつ間違えると傷害や暴行といった罪に問われる可能性もはらんでいます。
また、名誉毀損の可能性もあり、職場の人間関係を考えると放置していてはいけない存在と言えるでしょう。
パワハラを受けたら泣き寝入りをせずに、然るべき部署に必ず相談をして解決しましょう。
また、部下を指導するつもりでパワハラと認定さないためにも、上司もパワハラには気をつけることも必要です。