共感性がない

共感性がない人の特徴・心理・対処法

共感性

共感性は社会人として他人とコミュニケーションをとる上では欠かせない能力のひとつです。共感性が高いと他人の気持ちを察した上で会話ができるということにつながるからです。もし共感性に欠けている、共感性が弱い人が身近にいた場合、自分の気持ちをわかってほしくてした話がまるで通じないことになります。その結果その人への信頼感や常識までも疑ってしまうことになるでしょう。

今回は共感性がない人の特長や心理、対処法について考えてみます。

Contents

共感性とは

共感性は他人の気持ちや考え、意見をその通りだと感じる力の事です。

この共感性は他人とコミュニケーションをとることで感じることができるもので、ことばを持たない動物などには備わっていない能力と言えます。

人間同士でも母国語などが違うことによって共感性を発揮できないケースもよくあります。

しかし、会話ができるのであれば共感性を持っているかどうかで、気持ちが通じ合えるかどうかが決まるといってもいいでしょう。

それほどコミュニケーションにとっては共感性が重要ということになります。

まずは共感性がない人の特徴や心理から考えてみましょう。

共感性がない人の特徴と心理

共感性がない人には以下のような心理や特徴があります。

共感性がない人の特徴と心理: 話し方がストレート

共感性がない人は会話をしていても話し方がストレートで、いわゆる「単刀直入」の言い方が多くなります。

つまり思ったことをそのままストレートに伝えてしまうのです。

共感性が弱い人は相手の気持ちを思いやる、気持ちを察するということうぃません。

そのため、「こんな事を言ったら相手は傷つくかもしれない」ということを考えずに、そのままことばにしてしまうのです。

すべてのことばが相手を傷つけるわけではありませんが、ストレートな言い回しを常にすることで相手を傷つけてしまう確率は格段に高くなります。

しかも、自分のことばで相手を傷つけてしまったということにも気づかないという特徴もあります。

共感性がない人の特徴と心理: 思いやりに欠ける

自分の意見をストレートに相手に伝えるということは決して悪いことではありませんが、共感性がない人は常にそうした言い方をしてしまいます。

そのため周囲からは思いやりに欠ける人という評価される人が多いようです。

相手の気持ちを考えずに直接的な言い方をするため、相手の事を考えていない、思いやりがないと思われても仕方がないでしょう。

普通は気を使って聞けないことも平気で聞くので、無神経だと思われる可能性も高くなります。

実際共感性に欠ける人は他人よりも自分の事にしか興味がない人が多いのです。

共感性がない人の特徴と心理: 他人に興味がない

共感性がない人の中には極端に他人に興味がなく、いわゆるナルシストと言われる人もいます。

このタイプの人は自分の事を優先的に考えているので、他人に対しての思いやりに欠けるところがあります。

そもそも他人に興味がないので、相手の気持ちに寄り添うということもできず、相手がどう感じているとかどう思っているということも気にすることがありません。

そのため会話の内容も自分の意見が中心となるのです。

共感性がない人の特徴と心理: プライドが高く負けず嫌い

プライドが高く負けず嫌いな人は、物事を勝ち負けで判断する傾向が強いので、相手の気持ちを察するといいった心の余裕はありません。

その結果、共感性に欠ける面があるのです。

職場にライバルがいるとすると、そのライバルになんとかして勝ちたいという気持ちでいっぱいになり、相手の気持ちを考える余裕がなくなります。

たとえば相手が自分を思いやって言ったことばでさえ、ライバルとしての自分をおとしめたり、バカにしたりといった意味に捉えてしまいます。

ライバルが仕事で成功した場合は、特に嫉妬心も絡んでくるので仕事の成功を素直に褒めたり相手が優秀であることを認めたりといったこともできません。

共感性がない人の特徴と心理: 手段を選ばない

共感性がない人の中には目的のためには手段を選ばない人もいます。

一般的には相手の気持ちを考えると自分の都合だけで他人を利用するということはできないものです。

しかし、共感性がない人は他人の気持ちをまったく考えずに行動するので、目的を達成するために他人を踏み台にしたり、気持ちを無視したりということも平気です。

共感性がない人の特徴と心理: 自分の価値観を優先する

価値観というのは人それぞれ違うので、互いに尊重し合うことが大切です。

しかし共感性がない人は自分の価値観を優先して、他人の価値観や気持ちは無視します。

自分の視線でしか物事を判断しないので、相手の立場に立った物の見方ができないのが大きな理由です。

共感性が強すぎて他人と自分の境界線がはっきりしないのも問題ですが、相手の立場を理解できないのも人間関係を構築するには大きな障害となります。

共感性がない人の特徴と心理:人をコントロールしようとする

共感性がない人は自己中心的で他人の気持ちを理解できないため、自分の思った通りに他人をコントロールしようとします。

それによって他人が嫌な思いをするということにはまったく無頓着なので、他人を思い通りに動かしたいと考えるのです。

つまり他人を自分と同じ人間で感情があるという点に思いが至らないため、何をしても他人が嫌がったり感情を害したりするとは思わないのです。

または、それに気づいていたとしても自分の感情を優先するので、あまり気にしていません。

共感性が高い人の特徴と心理

ここで少し視点を変えて共感性が高い人の特徴についても考えてみましょう。

共感性が高い人の特徴と心理:話し相手と同じ表情になる

共感性が高い人は話をしている相手の感情に同調しやすい人なので、相手と同じ表情になるという特徴があります。

共感性が高い人は相手の感情をよく理解できて同じ気持ちになってしまいます。

そのためうれしい、楽しいと言った感情だけでなく悲しみの感情も共感してしまうのです。

たとえば、家族に不幸があったという相手の話を聞くと、自分の家族が亡くなってしまったかのような感情になってしまいます。

よくもらい泣きをしている人を見かけることがあると思いますが、もらい泣きをする人は共感性が高く感受性が強い人だと思って間違いありません。

共感性が高い人の特徴と心理:他人に左右されやすい

共感性が高い人は他人に共感しやすいため、相手の気持ちや考え方に左右されやすいという特徴もあります。

共感性がない人は自分の事ばかりを考えて他人の気持ちには無頓着ですが、共感性が高い人は反対に自分を持たず他人に振り回されやすくなってしまうのです。

たとえば職場で会議をして意見が対立したときでも、相手の立場に立ってその意見を尊重しようとするのが共感性の高い人の行動です。

共感性がない人は相手の意見を聞かずに自分の意見を押し通そうとしますが、共感性が高いと相手の意見も尊重できるのです。

これは一見すると良いことのように思えますが、度を過ぎてしまうと自分の意見をなくしてまで相手に同調することになります。

共感性が強すぎるとこうして相手の意見に左右されて、自分の立場をなくしてしまう危険性があります。

共感性が高い人の特徴と心理:聞き上手

共感性が高い人はいわゆる聞き上手でコミュニケーション能力が高い特徴があります。

共感性が高い人はコミュニケーション能力が高いという理由は、相手の立場や気持ちがすぐに理解できて、相手の立場に立った会話ができるからです。

たとえば共感性が高い人は、相手の仕事の内容や社内での地位を理解して、自分がその立場だと考えて問題点や苦労しそうな点を相手に話すことができます。

話し相手は的を射た話をされるので、気持ちよく会話をすることができます。

反対に共感性がない人は自分の話に対して否定的なことを言うことが多いので、嫌な気分になってしまうことが多くなります。

会話の相手としてはどちらに好感を持つのかは考えるまでもありませんね。

共感性を高めるメリット

共感性が高くてもなくてもそれぞれメリットやデメリットがあることがおわかりいただけたと思います。

しかし、共感性がない人は共感性を高めたほうが、特に職場ではメリットがあります。

共感性を高めることでどんなメリットがあるのかを考えてみましょう。

共感性を高めるメリット:交渉が成功しやすい

共感性が高いというのはコミュニケーション能力が高いことに直結します。

コミュニケーション能力は社内ではもちろんですが、社外の取引先が相手となる交渉事に大きな力を発揮するでしょう。

交渉がうまくいくかどうかはもちろん提示する条件が大きく左右しますが、同じくらいにコミュニケーション能力の影響が大きいのです。

多少不利な条件を提示しても交渉次第ではうまくいくということもあるからです。

特に共感性が高い人は相手の気持ちを理解することができるので、的確に相手の要望のポイントを把握することができます。

共感性がない人は自分の都合だけを押し付けることが多いので、交渉事には向いていません。

職場で取引先との交渉を任されることが多い人は、共感性を高める必要があります。

共感性を高めるメリット:職場の人間関係がうまくいく

共感性が高い人はコミュニケーション能力が高いので必然的に職場の人間関係もうまくいきます。

共感性がない人は職場では孤立しがちですが、共感性を高めることで職場での人間関係が改善され、結果的に仕事もスムーズにできるようになるという効果もあります。

仕事は自分の能力が高ければうまくいくというわけではありません。

むしろ周囲のフォローがあれば、多少能力が劣っていてもうまくいくものです。

共感性を上げることで人間関係を改善できれば、必然的に仕事もスムーズに回るでしょう。

共感性を高めるメリット:職場内のモチベーションを高めることができる

共感性がない人は周囲の人の気持ちを察することができないので、職場の雰囲気が悪くなっても気づかなかったり、どうしたいいのかわからなかったりします。

しかし共感性を高めることで周囲の気持ちが理解できれば、自然に対処法もわかるので職場内でのモチベーションを高めることもできるようになります。

こうした周囲を明るくしたりやる気を上げたりすることができれば、上司からもリーダーの素質があるという評価を得ることも可能です。

共感性を高める対処法

共感性がない人は職場では共感性を高めることでメリットが得られることがわかりましたね。

それでは次にどのようにしたら共感性を高めることができるのかを考えてみましょう。

共感性を高める対処法:相手の立場で考える

共感性がない人の最大の特徴は相手の立場で物事が考えられないという点です。

つまりこの点を鍛えることが共感性を高めることに結びつきます。

といっても今まで相手の気持ちに共感したことがない人が、急に共感できるようにはなれませんね。

まずは相手の気持ちを考えることができるようになりましょう。

人の感情は顔の表情や仕草などに明確に現れます。

そのため、相手が今どんな勘定を持っているのかは相手の表情や行動からほとんど察することができるのです。

また、会話をするときは相手の立場を想像しながら、自分だったらどうするかということも考えるトレーニングをしましょう。

相手の立場に立つことと表情などを読み取ることが上達すれば、共感性を高める第一歩となります。

共感性を高める対処法:想像力を高める

共感性がない人が他人の気持ちを理解できないのは想像力が乏しいからです。

想像力も一朝一夕では身につけることはできませんが、普段から会話をするときには相手の話している内容を具体的に想像しながら聞く訓練をしてみましょう。

ことばをイメージとして認識できるようになれば、想像力が鍛えられることになります。

共感性を高める対処法:聞き手に徹する

共感性がない人は自分の事を話したがるので、いわゆる聞き手に回ることがほとんどありません。

これが相手の立場を考えたり、相手の気持ちを察したりできない根本的な原因にもなっています。

共感性を強くするためにあえて聞き役に徹することも必要です。

相手の話をよく聞くことで相手の気持ちや立場を理解するきっかけを作ることができます。

少なくても自分のことばかり話し続けていては、いつまで立っても共感性を強くすることはできませんよ。

共感性を高める対処法:本を読む

共感性を強くする方法として想像力を鍛えるという話をしましたが、本を読むことも想像力を鍛えることにつながります。

テレビなどの映像はわかりやすいというメリットがありますが、映像ばかり見ていると想像力が失われるというのはよく言われていることです。

これに対して小説などの本を読むことで、ことばで表現されていることを具体的に自分の頭の中で映像化することができます。

ことばを映像にするというのは想像力がなければできないことなのです。

また、小説では風景だけでなく感情や心情もことばで表現していますね。

小説を読んで登場人物がどんな気持ちでいるのかを想像すれば、現実の世界でも相手の気持ちを理解できるきっかけになるでしょう。

共感性を高める対処法:否定しない

共感性がない人が会話でよく使うのは否定することばです。

自分の考えと違うことを相手が言うと必ず否定するのが共感性のない人です。

相手の立場や気持ちを理解しようとするならば、相手のことばを途中で否定して遮らず最後まで聞く癖をつけましょう。

最終的に反対の意見を述べるにしても、最初から否定のことばを使うの早めましょう。

自分が同じ立場になるとすれば、いきなり自分のことばを否定する相手に対しては良い感情を抱かないということがわかるでしょう。

共感性がない人は自分がされたら嫌なことを相手にしているということを強く認識しましょう。

そう考えると頭ごなしに相手を否定することは避けられるはずです。

共感性を高める対処法:他人に興味を持つ

共感性がない人はそもそも自分以外にあまり興味を持たないため、他人の気持ちや立場が理解できません。

まずは自分以外の他人に対して積極的に興味を持つことからはじめます。

すべての人に興味を持つのは難しいので、最初は職場で一緒に仕事をしている人への関心を高めてみましょう。

他人に興味を持てるようにするためには、仕事だけでなく相手の趣味の話も聞いてみます。

もしかすると同じ趣味の人が見つかるかもしれませんし、意外な趣味を持っていれば興味も湧くはずです。

それに趣味を聞いてみるという目的を持って会話すれば、聞くことに徹することになるので話を聞く訓練にもなりますね。

こうして他人と仕事や趣味の話をすることで、価値観は人それぞれであることや、自分と違う考え方や意見が多いことに気づくでしょう。

それが相手に共感できる第一歩になるはずです。

まとめ

共感性というのは社会人として暮らしていく上では重要なファクターとなります。

特に職場では共感性がないと仕事だけでなく人間関係にも大きな支障があります。

もちろん共感性が強すぎることでもマイナス面はありますが、共感性がないほうがより大きなマイナスになると考えましょう。

この記事が自分に共感性が足りないと考えている人の助けになったら幸いです。